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2017.11.15

昭和39年(1964年)7〜8月の主な出来事


11月に刊行致しました「新聞集成 昭和編年史」39年版IVは昭和39年(1964年)7〜8月の記事を収録していますが、その期間に日本及び世界に起きた主な出来事です。
詳しくは「新聞集成 昭和編年史」39年版IV巻末の年表を御覧下さい。
昭和の戦後史、現代史を調べる参考になれば幸いです。


昭和39年(1964年)7〜8月の主な出来事

○世界
7.2・米、人種差別撤廃の新公民権法成立。ジョンソン米大統領、法案に署名
7.3・ホー・チミン北ベトナム大統領再選
7.5・北京放送によると、南ベトナム民族解放戦線(ベトコン)は1964年上半期で全土の4分の3を支配と発表
7.15・米共和党全国大会で大統領候補にタカ派のゴールドウォーター上院議員を指名
7.15・ソ連最高会議、ブレジネフ幹部会議長(元首)を解任。ミコヤン第一副首相を議長に選出
7.21・シンガポールでマレー人と中国人衝突。7.28、9.2にもおこる
7.28・0ECD理事会、日本が申請した自由化留保18項目を承認
7.29・米司法省、アラバマ州タスカルーサ市で黒人差別をしているレストラン15店を告発。新公民権法による初の告発
7.31・米「レンジャー7号」が月面近接撮影に成功、写真4316枚を地上に電送
7.- ・米、ニューヨークをはじめ各地に人種暴動高揚。「長い暑い夏」始まる
8.2・トンキン湾事件。米国防省、米駆逐艦がトンキン湾で北ベトナム魚雷艇に攻撃されたと発表
8.4・米軍機、8.2の魚雷艇による米艦攻撃の報復と称して、トンキン湾岸の北ベトナム海軍基地などを爆撃。これを契機に米国はベトナムに本格介入
8.7・トルコ空軍戦闘機、キプロスのギリシャ系住民地域を爆撃。トルコ系住人地域への攻撃の報復(〜8.9) 
8.7・南ベトナム、全土に非常事態宣言
8.7・米上下両院、「東南アジアの危機」に対処するため、大統領に戦時権限を与える決議案を可決(トンキン湾決議)
8.16・グエン・カーン南ベトナム首相、大統領に就任、戦時独裁体制を固める。反独裁デモ激化
8.17・インドネシアのゲリラ、マレーシアのジョホールに上陸
8.25・グエン・カーン南ベトナム大統領の退陣を求める仏教徒と学生のデモ全国におこる。大統領、デモの圧力に屈して就任9日で辞任、暫定憲法の撤回・軍事革命委の解散を決める
8.28・南ベトナム、ドン・バンミン将軍やグエン・カーン元大統領らの三頭政治始まる

○外交・政治・沖縄
7.3・大平外相、台湾を訪問(〜7.5)
7.3・憲法調査会第131回総会、7年間の審議に基づく最終報告書を池田首相に提出。問題点を列記し改憲是非に触れず。本文1160頁付属文書12冊
7.5・国民政府、1月の周鴻慶事件以来の対日買付け禁止措置を解除
7.9・政府、8月15日終戦記念日に行う「全国戦没者追悼式」を靖国神社の境内で行うことを正式に決定
7.10・自民党第14回臨時大会、池田総裁を3選。佐藤・藤山の「反池田連合」に10票差、過半数を4票上回る
7.13・社会党訪中視察団帰国。羽田での記者会見で、毛沢東中共主席が千島の日本返還に賛成したと発表
7.15・日本共産党中央委員会総会(7.13〜)、4.17公労協スト問題で自己批判
7.18・第3次池田内閣改造。田中蔵相・赤城農相留任。石田労相再登場。椎名悦三郎外相、桜内義雄通産相、小泉純也防衛庁長官など
7.20・御殿場市の米海兵隊キャンプで、酔って同地に入った女性を歩哨の米兵が射殺。防衛庁幹部、過剰行為と批判。8.5、8.7新婦人、8.12婦民、8.13母親連絡会、8.27婦団連、ベトナムに対するアメリカの侵略行為とともに抗議
8.1・米の新任高等弁務官アルバート・ワトソン中将が沖縄に着任。記者会見で「自由世界の住民の防衛が最重要」と語る
8.10・椎名外相、衆院外務委員会で、在日米第七艦隊が日本からトンキン湾付近に哨戒出動しても「事前協議」の対象ではないと答弁
8.11・閣議、南ベトナムへの第1次緊急援助として医薬品など50万ドル、ついで10.27第2次援助100万ドルを決定
8.26・原子力委員会、米原子力潜水艦の日本寄港要請について協議し、安全性に支障なしとの統一見解を発表
8.28・閣議、米の原子力潜水艦寄港要請を受諾すると決定し、米側に正式回答。社会・民社・共産各党、反対声明。11.12米原潜「シードラゴン号」が佐世保に入港、以後米原潜の日本寄港が行われる。ポラリス型は認めずノーチラス型に限り、また核魚雷を積むものは認めないとの統一見解。11.13佐世保で反対デモ、警官隊と衝突
8.28・沖縄訪問中の臼井総理府総務長官、琉球立法院代表と会談し「基地存続と施政権返還は別個に考えてよい」と発言

○経済・産業・労働
7.2・経済企画庁、38年の国民所得統計を発表。1人当り国民所得は18万3321円で前年比13.2%増
7.3・工業整備特別地域整備促進法公布。鹿島など6地域指定、以後指定続く
7.7・労働省、「労働白書」発表。高度成長の持続で労働力不足経済への移行および1961年以降年率10%賃金上昇の持続を指摘
7.9・経済企画庁、39年度経済白書「開放体制下の日本経済」を発表。開放経済下で輸出の伸びを通じて福祉の向上をめざす
7.9・住宅地造成事業法公布。10.1施行
7.10・改正河川法公布。河川管理の基準強化。昭和40.4.1施行
7.24・愛知科学技術庁長官、「38年度原子力年報」(原子力白書)を閣議報告。原子力開発は発展段階に入ったとする
7.25・農林省、38年度の農家就業動向を発表。農業人口は66万人減る。19歳以下の若年層の流出が著しい
7.27・政府の沼津・三島地区産業公害調査団(黒川真武団長)、工場建設は所用の措置を講ずれば公害発生の恐れなしと最終報告
7.27・三重県知事、芦浜地区を中部電力の原子力発電所用候補地と決定
7.- ・水島コンビナートで化成水島工場、操業開始。石油コンビナートの心臓部の活動開始
8.1・首都高速道路1号線(日本橋本町−羽田)・4号線(江戸橋−代々木初台)が開通し、羽田で開通式挙行
8.1・北アルプス黒部渓谷の黒四ダム、観光地として一般に開放
8.4・農林省、38年の農業調査結果を発表。専業が約139万戸、兼業が約443万戸
8.12・人事院、公務員給与の7.9%引上げを勧告、5月分から平均月額約2600円の賃上げとなる
8.20・日本電電公社と琉球電電公社、本土-沖縄間のマイクロ回線の収入配分比に関し合意。9.1開業
8.21・東京の日比谷公会堂で、都内の五輪道路34路線(環状6・7号線など。延べ63km)の総合完成式挙行
8.22・労働省、「昭和40年3月新規中高卒業者の求人・求職動向調査」発表。中学卒業者への求人倍率は約5倍
8.26・東京紀尾井町にホテルニューオータニが完成し、約4000人を招き落成式挙行。9.1開業
8.27・岡山県・倉敷市・化成水島・呼松町民代表による倉敷市呼松町の化成水島公害補償の話合いが開かれる。化成水島が見舞金150万円を支払う案を提示
8.31・OECD、初の対日経済審査報告を発表。各国の対日差別の緩和を要望
8.- ・東京・佃大橋が完成し、300年続いた「佃の渡し」が姿を消す

○社会
7.1・母子福祉法公布、即日施行。各都道府県に母子相談所を設置し、母子家庭の福祉強化・雇用促進などを図る
7.2・重度精神薄弱児扶養手当法公布。児童1人月額1000円支給など。昭和41年、特別児童扶養手当法と改称
7.5・下山事件が時効になる。昭和24年7月6日、常磐線北千住―綾瀬駅間で下山定則国鉄総裁が死体で発見された事件。刑事責任追及に終止符
7.8・厚生省、38年の簡易生命表を発表。平均寿命は男67.2歳・女72.3歳でともに前年比約1歳の伸び
7.10・森山豊東大教授ら、日本先天異常学会であざらし状児(サリドマイド児)は、昭和33〜38年の6年間で計936人(男子451人・女子418人・不明67人)と報告
7.14・東京都品川区の宝組化学品倉庫で連続爆発、消防関係者19人殉職57人負傷。産業事故問題化。7.15運輸省、全国の業者に危険物管理について警告
7.15・東京都三鷹市で、大学教授の父と検事の母を持つ高校2年生の兄が弟を殺害。兄弟とも野球チームリーダーで、人気のある弟をねたんでの犯行。母親は戦後初の女性検事
7.25・三重県の原発反対の南島町漁民約2000人、海上デモを実施
7.28・総理府広報室、39年の国民生活世論調査結果を閣議に報告。76%が「戦前以上」の生活水準と回答
7.30・原水協、東京で第10回原水爆禁止世界大会開催(〜8.5)
7.31・第10回原水爆禁止世界大会、国際会議でソ連など退場。同日、東京大会。8.3本会議、京都・大阪(〜8.5)、8.7原水禁被爆者救援広島集会、8.9長崎集会
8.1・東京地検、ライシャワー米大使刺傷事件の少年を「心神喪失状態で犯行」との鑑定に基づき不起訴処分にする
8.1・改正風俗営業等取締法施行。深夜営業の規制強化
8.1・静岡県下に進出予定の石油化学コンビナートの公害予見で、政府派遣の黒川調査団と地元の松村調査団および住民代表が会見。黒川調査団の報告書のあいまいさ、明らかになる
8.3・被災3県連絡会議、広島市で原水禁広島・長崎大会(総評・社会党系)の国際会議開催(〜8.5)。ソ連などの代表出席。8.5広島大会(〜8.7)。8.9長崎大会
8.6・東京、異常渇水で水不足深刻化、17区で1日15時間断水の第4次給水制限実施。8.25荒川取水朝霞水路開通、第3次制限に復帰。「東京サバク」の語生れる。病院などへは自衛隊給水部隊が災害出動。都水道局では貯水池流域に人工降雨での推量増加をも試みる
8.8・厚生省、38年度国民生活実態調査の結果を発表。平均世帯の年収は約49万円で格差が拡大と分析
8.15・政府主催の第2回全国戦没者追悼式、日本遺族会の要望で靖国神社境内で開催
8.15・厚生省、高齢者(65歳以上)実態調査結果発表。82%が子供と同居を希望、80%が実際に同居
8.16・松川事件(24年8月17日)が真犯人不明のままと時効となる。中央松対協など、列車転覆現場で犠牲者慰霊祭。8.17松川15年中央集会。8.18松川事件対策協議会の解散決定
8.21・黄色い血・汚れた血が問題化し、閣議、輸血患者の肝炎多発で売血から献血へ供血制度の改善を決定。9.1日赤、全国一斉に献血運動開始
8.23・第10回日本母親大会開催(〜8.24)。「ポストの数ほどの保育所を」「母親運動の統一のための特別決議」など採択。延べ3万人参加
8.24・世田谷区の俳優高島忠夫宅で、5ヵ月の長男が、風呂場の浴槽に沈められ水死。最近自分だけのけものにされていると思いこんだ17歳の家事従業者の犯行
8.24・千葉県習志野でコレラ発生
8.26・総評、米原子力潜水艦寄港に対する抗議申入れ

○教育・科学・文化・スポーツ
7.2・早大構内で革マル派と中核派、第1文学部自治会委員獲得をめぐり武装のうえ乱闘、警官500人出動。初の内ゲバ事件。早大7.2事件
7.4・NETテレビ『徳川家康』放送開始。山岡荘八作品のドラマ化
7.7・富士箱根伊豆国立公園に伊豆七島地域追加
7.10・朝日新聞社の1000万円懸賞小説に、北海道の主婦三浦綾子の『氷点』が入選
7.17・南原繁・海野普吉・団藤重光・松本清張ら、7.5に時効となった下山事件の真相を追及する下山事件研究会結成
7.23・東京都立駒沢オリンピック公園が完成、池田首相・東都知事ら約1000人が出席して完工式を挙行
7.26・東大宇宙航空研究所、鹿児島の同大宇宙空間観測所からカッパー8L型4・5号の打上げに成功
7.27・東京都議会、青少年健全育成条例を可決。10.1施行。「有害」図書などを規制し違反者に罰金適用
7.- ・柴田翔、『されどわれらが日々−』で第51回芥川賞受賞
8.1・ビートルズ出演の最初の映画『ビートルズがやってきた、ヤァ!ヤァ!ヤァ!』が東京で封切り
8.12・南ア共和国五輪委員会、IOCに「スポーツの人種差別は撤回せず」と通告。IOC、同国の東京オリンピック出場停止を正式に決定
8.21・文部省、初の大学白書「わが国の高等教育」を発表。学生の急増に備えて施設の拡充を提唱
8.21・ギリシアのオリンピアで、第18回オリンピック東京大会の聖火の採火式挙行。聖火リレー、スタート
8.25・大江健三郎『個人的な体験』新潮社。第11回新潮文学賞受賞
8.30・東京・国立代々木競技場が完成。9.5国立屋内総合体育館も落成

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