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2019.12.13

昭和40年(1965年)5〜6月の主な出来事

昭和40年(1965年)5〜6月の主な出来事

2018年11月に刊行致しました「新聞集成 昭和編年史」40年版IIIは昭和40年(1965年)5〜6月の記事を収録していますが、その期間に起きた主な出来事です。

詳しくは「新聞集成 昭和編年史」40年版III巻末の年表を御覧下さい。
昭和の戦後史、現代史を調べる参考になれば幸いです。

昭和40年5〜6月の主な出来事----世界
                   
5.2・ジョンソン米大統領、ドミニカの「共産化阻止」を表明、米軍1万4000人に増員
5.3・シアヌーク・カンボジア元首、米国との国交断絶を決定と発表
5.12・西独とイスラエルが国交樹立。アラブ諸国が一斉に反発し西独と外交関係断絶へ
5.14・中共、西部地区上空で昨年10月16日以来2回目の核実験に成功
5.17・朴韓国大統領、ジョンソン米大統領と会談し共同声明発表。日韓仮調印称賛、南ベトナム支持、軍事経済援助の継続など
5.21・4月28日に南ベトナムでベトコンに捕まった日本工営技師4人と通訳2人全員が釈放される

6.3・米2人乗り有人衛星「ジェミニ4号」打上げ。ホワイト少佐が米初の宇宙遊泳に成功(〜6.7)
6.11・南ベトナムでグエン・カオ・キ、グエン・バン・チューの両将軍がクーデター。ファン・フイクアト首相、軍部に政権移譲を決定
6.17・米B52爆撃機、グアム島からはじめての南ベトナム渡洋爆撃
6.19・グエン・カオ・キ南ベトナム空軍司令官、新政権の首相に就任
6.19・アルジェリアでクーデター。ベン・ベラ大統領逮捕。革命評議会、実権を握る。議長にブーメディエン陸軍参謀長
6.21・韓国、全国警察に非常警戒令。ソウルほか水原・清州・光州など韓国各地で日韓条約本調印反対運動の学生デモ、警官隊・軍隊と衝突。負傷者多数
6.24・北ベトナム労働党機関紙「ニャンザン」、「米軍がベトナムで投下したナパーム爆弾の92%は日本製」と非難
6.25・アルジェのAA外相会議場で、会議開催前夜に爆破事件が起こる。26日、AA会議延期を決定
6.28・米軍・韓国軍・オーストラリア軍の対ベトコン合同作戦(〜6.30)。米軍、初の直接戦闘参加。事実上の戦争拡大
6.29・ソウルで、日韓条約批准阻止の学生デモが続く。ソウル市内11大学、臨時無期限休校に入る
6.- ・この頃、ベトナムへ米軍続々と増派

昭和40年5〜6月の主な出来事----政治・外交・沖縄

5.3・憲法記念日。政府主催の催しはなく、社会党・民社党他各団体が集会やパレード。沖縄も初めて本土と同様に憲法記念日を祝う
5.6・社会党臨時大会。新委員長に佐々木更三、副委員長に河野密を選出
5.7・佐藤首相、自民党青年部大会で「北爆にはそれなりの理由があり攻撃されるほうにも責任がある」と北爆支持を表明
5.11・椎名外相、参院外務委で「北爆の際に米機が在日米軍用施設・区域から直接発進することはないが、米機が移動・補給に立寄ることはありうる」と答弁
5.11・南ベトナム政府軍将校・下士官ら10人、1ヵ月間の沖縄での訓練を終えて那覇空港を立つ
5.15・沖縄の日本人船員、米軍の南ベトナム行きの命令を拒否
5.17・参院本会議で87号条約承認・関係国内4法案を可決
5.18・ドライヤー提案に基づく政府・総評第1回定期会合
5.25・米原潜「スヌーク号」佐世保入港(〜5.29)
5.25・米原潜佐世保入港に関し、共産党・社会党系寄港反対派が埠頭で抗議デモを行う
5.28・参院本会議で、農地報償法案が可決成立
5.- ・都議会不正事件について都議会解散を求め刷新・リコール運動高まる

6.3・佐藤改造内閣発足、河野一郎閣外に去る。椎名悦三郎外相・福田赳夫蔵相・三木武夫通産相・松野頼三防衛庁長官・藤山愛一郎経済企画庁長官など
6.11・沖縄米軍、パラシュートによる物資投下演習中に演習機から小型トレーラーを読谷村の民家近くに落下させ、小学校5年生の少女を圧死させ、地域住民に大変な衝撃を与える。米軍がこの事故で死亡した少女の遺族に支払った損害賠償は僅か170万円
6.12・琉球立法院、読谷村で発生した小型トレーラーによる少女圧死事件を重視し、直ちに「沖縄の民家上空での物資投下演習を全面的に廃止する等を要求する決議」を採択
6.14・東京都議会、3日施行の地方公共団体の議会解散に関する特別法に基づき、満場一致で自主解散を議決
6.14・青木国連大使、ジュネーブ国連本部でILO87号批准書をILO事務総長に寄託。1年後に発効
6.19・第7次日韓全面会談、18日からの徹夜折衝で竹島帰属問題など3点を除き実質的に妥結
6.19・日韓条約本調印強行の情勢に、社・共・総評・日朝協会など32団体が妥結反対の共同声明発表
6.22・首相官邸で、日韓基本条約、漁業・請求権・在日韓国人の法的地位・文化協力の4協定などに調印。韓国は朝鮮で唯一の合法政府である事などを確認。韓国では抗議の焼身自殺など反対運動が激化
6.22・島根県議会、議員提案で竹島の日本領土確認決議案を上程、可決。同決議を外務省など政府当局に打電
6.22・日韓条約に反対する社会党・総評・全学連など全国46ヵ所で抗議集会
6.23・沖縄戦終結から20年目の「慰霊の日」、摩文仁の丘で琉球政府主催の第1回「沖縄戦没者追悼式」挙行。平和祈願慰霊行進を行う
6.24・椎名外相と李東元韓国外務部長官、日韓共同声明発表

昭和40年5〜6月の主な出来事----経済・産業・技術・労働

5.1・第36回メーデー、全国750ヵ所の会場で650万人参加。戦後最大の規模に
5.4・日本原子力発電東海発電所で原子炉が臨界状態に達する。初の商業用原子力発電所
5.7・中国、ニチボーへビニロン・プラント契約を廃棄と正式通告
5.14・不況長期化で、人員削減等の合理化が紙パルプ業界から始まり夏には各業界に波及の見通し、と新聞報道
5.19・電源開発調整審議会、40年度の電源開発計画を決定。その中に福井県敦賀へ日本で2番目の実用原子力発電所建設計画あり
5.21・三菱・富士・興銀など関係銀行団、業績不振の山一証券の再建措置方針を決定。証券市場対策としての個別企業救済。山一の累計赤字100億円。証券会社に投資信託などの解約殺到、投資家の不安高まる
5.28・田中蔵相、深夜の記者会見で証券緊急対策として山一証券に無制限・無期限の日銀特別融資を発表。日銀法第25条適用、31年以来の異例措置。いわゆる「山一証券事件」
5.29・日銀、日本銀行法第25条に基づき山一証券への資金融通のための富士銀行ほか2行に対する特別貸出措置を正式決定。6月から7月にかけて合計282億円の貸出を実施
5.31・日産自動車(川又克二社長)とプリンス自動車工業(小川秀彦社長)が合併覚書に調印。乗用車の輸入自由化をひかえ、業界再編の第1号

6.1・経済企画庁に国民生活局設置
6.1・公害防止事業団法公布。共同浄化施設・排出施設を整備、公害の発生防止を強化するというもの
6.2・新東京国際空港公団法公布
6.9・第1回経済政策会議開催。経済関係3閣僚、自由民主党3役等で構成。景気回復へ長短期対策を検討
6.23・大蔵省、景気対策として公共事業費・住宅対策費等に年内1000億円繰上げ財政支出要請
6.24・経済企画庁、39年の国民所得統計を発表。国民総生産は前年比13.9%増、国民所得は1人当り約20万円で前年比11.2%増
6.26・日銀、景気対策として公定歩合の日歩1厘引下げ実施、市中銀行の貸出し増加額規制(窓口規制)を撤廃。金融緩和進む
6.30・全国銀行協会連合会(会長岩佐富士銀行頭取)、市中銀行の貸出自主規制金利を1厘引下げ
6.30・公害審議会令公布

昭和40年5〜6月の主な出来事----社会

5.1・保険医療費、この日から安田・保土谷化学・全国食糧・三井の4健保に対する値上げ分を差引いた旧料金と9.5%値上げ後の新料金の二本立てとなる。各地で混乱広がる
5.1・北アルプス穂高連峰で連休に遭難が続出。早稲田大学生ほか転落死
5.5・神奈川県の米軍相模原ハイツに米軍機が墜落。米軍人家族幼児2人が死亡、4棟全半壊
5.6・岩井総評事務局長、水戸市で開催の日教組定期大会で「総評は北ベトナム義援カンパ運動を起こす」と言明
5.6・元大関若羽黒をピストル不法所持で逮捕、立浪部屋など捜索。現役横綱も不法所持
5.7・都議会議長選汚職で小山都議会議長を起訴
5.10・街の金融王森脇将光、吹原事件の「黒金念書」偽造の疑いで逮捕さる。造船疑獄以来の怪事件といわれる
5.11・中野好夫ら文化人5人、ベトナム問題1日共闘を呼びかけ
5.17・岩手医大付属病院、新料金を拒否している健保の患者の入院を拒否、患者死亡
5.18・小笠原墓参の第一陣、硫黄島墓参団が21年ぶりに硫黄島で墓参
5.20・小笠原墓参の第2陣、父島・母島へ出発(〜6.2)
5.20・四日市市で公害認定制度(公害病患者の治療費を市が負担する制度)が発足し、第1回の認定審査会。患者18人全員を認定
5.22・東京農大ワンダーフォーゲル部の奥秩父登山訓練中(5.15〜5.18)、新入生が上級生のシゴキの集団暴行を受け1年生1人が18日の帰宅後に死亡。主将ら7人逮捕
5.22・ベ平連、米国の市民・学生と連携して、東京で約1000人参加しベトナム反戦デモを行う
5.23・ノルウエーのタンカー「ハイムバルト号」が北海道室蘭港で爆発炎上、27日間燃えつづける
5.30・三重県南島町で原発反対住民大会、約2500人が参加。原発絶対阻止を決議
5.31・東京高裁、東京地裁決定を取消し、厚相の医療費引上げ告示で安田・三井など4健保組合の告示取消し申立てを却下。4組合の旧料金を認めず医療費は新料金一本に
5.31・椿忠夫・植木幸明新潟大教授、新潟県衛生部に「原因不明の水銀中毒者が阿賀野川下流域に発生」と警告。新潟水俣病発生の公式確認

6.1・日本遺族会のシベリア墓参団41人、ナホトカに向けソ連船「バイカル号」で横浜を出港(〜6.8)。初の民間遺族会
6.1・福岡県嘉穂郡稲築町の山野炭鉱でガス爆発、死者237人。昭和38年の三井三池炭鉱につぐ戦後第2の炭鉱災害。死因はほとんど一酸化炭素中毒
6.3・オーストラリアのカウラ墓参団が出発
6.9・中野好夫ら5人の文化人の呼びかけで「ベトナム侵略反対国民行動の日」を開催、社共・総評・中立労連はじめ約50の市民文化団体が参加。デモ参加者は政防法反対デモ以来最大規模の3万7000人。ベトナム侵略反対の社会・共産両党系の「1日共闘」実現
6.10・政府の山野鉱臨時災害対策本部医療顧問団、爆発当時の入坑者や救援隊員の検診結果「一酸化炭素中毒の疑い16人(要精密検査)、頭痛などの症状37人(要経過観察)」と発表。検診総数868人
6.11・東京地方検察庁、東京都議会議長選挙をめぐる汚職事件、捜査終了
6.14・厚生省、新潟の有機水銀中毒事件で4人の調査団を現地に派遣。県衛生部・新潟大と協力し実態調査
6.14・倉敷市呼松沖合で数万尾の魚、斃死
6.17・新潟県、新潟大学と合同で有機水銀中毒患者研究本部設置
6.19・室蘭海上保安部、5月23日以来室蘭港で燃え続けたタンカー「ハイムバルト号」の完全鎮火を発表
6.26・川崎市久末の建売分譲住宅地で、裏山に盛土された石炭殻の山が雨で崩れ、住宅15棟が全半壊、24人死亡14人重軽傷。急造住宅造成が問題化
6.28・新潟県、阿賀野川下流の漁獲を規制
6.29・東京都江東区のゴミ埋立て場「夢の島」でハエが大量発生し、隣接する南砂町付近で被害が続出。都清掃・衛生両局、「夢の島」に殺虫剤の空中散布開始

昭和40年5〜6月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

5.1・フジテレビで『奥さまスタジオ・小川宏ショー』始まる
5.1・文部省、小中学校教育課程全面改定を決定
5.1・日本ペンクラブ、会長に川端康成氏留任。ベトナム解決策を希望する決議
5.4・文部省、教科書検定に対する日本学術会議や日教組などからの批判に反論し、特定の著者・著作物排除の事実はないと発表
5.5・横浜市に子どもと自然のふれあいを図る国立「こどもの国」が開園し、約17万人が入場。皇太子の結婚記念に作られる
5.9・日本テレビ『ノンフィクション劇場−ベトナム海兵大隊戦記・第1部』を放送、反響を呼ぶ。生首シーンが問題化し、橋本官房長官の申入れにより第2部以降は放送中止
5.18・ファイティング原田、ボクシング世界バンタム級でチャンピオンのエデル・ジョフレ(ブラジル)に判定勝ちし日本人初の選手権を獲得、チャンピオンに

6.6・実業団8チームによる日本サッカーリーグが開幕。東京駒沢競技場・刈谷市営球場・大阪うつぼサッカー場で3試合を行う。この頃よりサッカー盛ん。釜本邦茂・杉山隆一ら、人気を集める
6.9・文部省、ILO・ユネスコから送付された「教師の地位に関する勧告案」が国情にそわずと発表
6.12・家永三郎東京教育大教授、教科書検定を違憲とし国に対し損害賠償請求の民事訴訟を起す。同教授が執筆した高校3年用『新日本史』が文部省の検定不合格や条件つき合格とされたため、国へ100万円の損害賠償を要求。第1次家永教科書裁判
6.12・福岡大の重松森雄、英国のウィンザーマラソンに2時間12分0秒の世界新記録で優勝
6.16・文部省、小学5・6年生と中学2・3年生を対象とする全国小中学校学力調査を実施(〜6.17)。福岡県教委、文部省学力テストを実施せず
6.26・東大ポポロ劇団事件差戻し公判で、東京地裁も「ポポロ集会は政治的社会的活動であり、大学の自治の範囲外である」と最高裁と同旨判決
6.26・ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』東京の丸の内ピカデリー劇場で封切り
6.- ・文部省、年間50日以上休む長欠児は小学生5万4000人中学生6万6000人で、うち半数は登校拒否児と発表。登校拒否児、全国的に増加の傾向。中学の長欠児は100人に1人

詳しい年表は「新聞集成 昭和編年史」40年版I〜VI付録(新聞資料出版)をどうぞ

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