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2019.03.06

昭和40年(1965年)7〜8月の主な出来事

昭和40年(1965年)7〜8月の主な出来事

2019年2月に刊行致しました「新聞集成 昭和編年史」40年版IVは昭和40年(1965年)7〜8月の記事を収録していますが、その期間に起きた主な出来事です。

詳しくは「新聞集成 昭和編年史」40年版IV巻末の年表を御覧下さい。
昭和の戦後史、現代史を調べる参考になれば幸いです。


昭和40年7〜8月の主な出来事----世界

7.2・韓国政府、戦闘部隊1個師団の南ベトナム派遣を決定。8.13与党、派遣案を単独可決
7.14・韓国、日韓条約批准国会を強行開会。野党、審議拒否
7.25・ラーマン・マレーシア首相、シンガポールとの分離を決意
7.27・米機、北ベトナムのミサイル基地爆撃
7.28・ジョンソン米大統領、南ベトナムに5万人増兵を発表。米軍兵力は総員12万5000人に

8.1・南ベトナムのダナンの米軍基地がベトコン・ゲリラの猛攻に遭って孤立
8.2・韓国政府、日韓国交正常化後の対日法律規制案を発表。自主性・民族性を守るため経済・文化流入を規制
8.3・韓国国会特別委で日韓条約批准審議を開始。与野党衝突
8.5・パキスタン軍が休戦ラインを越えてインド軍に発砲したとインド政府が非難、カシミール危機再燃
8.6・米国で黒人投票権法成立。識字テストの廃止など、選挙権登録の差別を撤廃
8.9・マレーシアとシンガポールの分離法案、マレーシア連邦議会を通過し成立
8.14・韓国国会、「日韓条約、協定に関する批准案」を与党民主共和党が単独で一括可決
8.17・スカルノ・インドネシア大統領、独立20周年記念式典で国際通貨基金(IMF)・世銀からの脱退を発表。「自力更生」を強調
8.24・米「クリスチャン・サイエンス・モニター」紙、「極東の焦点」と題する論説で「日本の会社はベトナム戦争で利益をあげており、米機がベトナムで投下しているナパーム弾の90%は日本から納品されている」と発表
8.25・韓国で、ソウル市内10大学の学生約1万人が日韓条約批准無効を主張してデモ行進、警備の軍隊と衝突
8.26・韓国、ソウル地区に衛戌令発動(〜9.25)。軍隊が出動し、学生デモを鎮圧
8.27・米、ネバダ実験場で本年17回目の地下核実験
8.29・米、2人乗り宇宙船「ジェミニ5号」を打上げ。190時間55分で地球を120周させ大西洋上で回収

昭和40年7〜8月の主な出来事----政治・外交・軍事・沖縄

7.4・第7回参議院議員選挙。自民71・社会36・公明11。自民党後退、社会党進出。東京地方区で自民党全滅。投票率67.01%
7.8・自民党の実力者河野一郎死去(67歳)
7.10・京都府議会、社会・共産党提出の「米国のベトナム侵略と日韓条約に反対する決議案」を可決
7.12・第4回日米貿易経済合同委員会、ワシントンで開会
7.23・東京都議会議員選挙。社会45・自民38・公明23・共産9・民社4で社会党が躍進、第一党に
7.27・閣議、不況対策で公債発行の方針を決定
7.27・第4回経済政策会議、同日の閣議決定に基づき不況打開緊急対策を決定。予算の1割留保解除・財投計画の拡充・国債発行準備など
7.28・福岡県板付飛行場に台風避難のために移動することになっていたグアム島の米B52戦略爆撃隊が、急
遽予定を変更して嘉手納空軍基地に移動
7.29・台風避難名目でグアム島から移動してきた米B52戦略爆撃機30機、沖縄から発進してサイゴン南東を
渡洋爆撃。7.30と8.2にも実施
7.30・社会・民社・公明・共産各党、米B52の沖縄からのベトナム爆撃につき抗議
7.30・椎名外相、記者会見で「B52戦略爆撃機の沖縄からの出撃は、合法的ではあるが日本国民に誤解を与えるものであるから、発進は控えるよう米国に意思表示した」と語る

8.2・佐藤首相、衆院本会議で沖縄発進のB52爆撃機のベトナム空爆に対し、事態に当惑と発言
8.3・米軍輸送機35機、台風を避け沖縄から福岡市の板付飛行場に飛来
8.3・ライシャワー駐日米大使、ボストンで「米国のベトナム戦争介入強化以来日本における米国の評判は下降の一途」と発言
8.11・福岡市議会、米軍の博多港施設の一部占用と米軍用船の寄港に反対する決議案を満場一致で可決
8.14・沖縄駐留の米海兵隊第1師団第7連隊、南ベトナムのチュライ海岸に上陸
8.13・池田前首相、ガンで死亡(65歳)
8.16・社会党第26回臨時大会開催。ベトナム侵略反対、日韓条約阻止、経済危機打開の闘争方針決定
8.19・佐藤首相、沖縄を訪問(〜8.21)。戦後初の首相訪問。那覇空港で「沖縄の祖国復帰なくして日本の戦後は終らない」とステートメント。祖国復帰実現要求のデモに宿舎を囲まれ米軍基地内に宿泊
8.20・佐藤首相、ワトソン高等弁務官と会談し、米国の沖縄統治に関する説明を聴取。東急ホテルで立法院議員団と懇談した後、名護を視察。その後は東急ホテルで民間団体代表と昼食懇談会、経済・福祉・教育等の民間53団体から陳情を受ける
8.23・米原潜パーミット号入港抗議行動
8.24・米原潜パーミット号、佐世保入港
8.26・社会党・総評系の「米原潜阻止・日韓条約反対全国実行委員会」、佐世保・横須賀など全国で米原潜パーミット号入港抗議集会を開く。東京の中央集会には約1万人が参加
8.27・政府、閣議で「沖縄問題閣僚協議会」の設置を決定。同協議会は総理府総務長官を幹事役とし法務・外務・大蔵・文部・厚生・農林・自治の各相と官房長官、自民党3役で構成
8.30・防衛庁防衛局長、参院決算委で「米戦略爆撃機B52のべトナム爆撃後の日本不時着時は事前協議の対象外」と答弁
8.31・ソ連、ベトナム問題で日本は米軍事冒険の共犯者であるとの対日覚書を手交
8.31・ILO対日調査団、ドライヤー報告書公表。政府・総評・同盟等、見解・声明発表

昭和40年7〜8月の主な出来事----経済・産業・労働

7.1・名神高速道路、全線開業
7.6・日銀、日本銀行法第25条に基づき、大井証券への資金融通のための三井信託銀行他1行に対する特別貸出措置を決定。7月から8月にかけて合計53億円の貸出を実施
7.16・日銀、預金準備率引下げ
7.31・大蔵省、40年上半期の通関実績を発表。輸出39億2300万ドル(前年比36.1%増)、輸入41億4500万ドル(前年比2.2%増) 

8.3・来日中の南漢宸中国国際貿易促進委員会主席、「日本がベトナム侵略に加われば日中貿易に影響」と業界団体に表明
8.7・不況の長期化で、希望退職募集・一時帰休制度実施など人員合理化策を実施する会社が急増、と新聞報道
8.10・日本鉱業・アジア石油・東亜石油の民族石油3社で、共同石油設立
8.12・東芝、一時帰休制実施。主力3工場1万人対象
8.13・人事院、国家公務員給与平均6.4%引上げを勧告
8.13・総理府統計局、6月の完全失業者は39万人と発表。不況が雇用面に及び前年同月より7万人増える
8.16・政府、第6回経済政策会議で輸出振興問題を協議し、輸出振興および経済協力推進のための当面の対策を決定。延払い条件の緩和など
8.26・日本政府経済使節団(団長植村経団連副会長)、ソ連訪問。戦後初の政府使節団
8.27・日本住宅公団、景気刺激策として40年度の追加事業計画を発表。1万3000戸の賃貸・分譲住宅を追加発注

昭和40年7〜8月の主な出来事----社会

7.1・厚生省の専門化検討会、新潟県下の有機水銀中毒事件について「工場排水に含まれたアルキル水銀で汚染された魚貝を食して発生」と結論
7.3・吉展ちゃん誘拐殺人事件の容疑者が犯行自供。5日遺体発見、事件後2年3ヵ月ぶりに解決
7.4・参議院選挙で専売公社幹部らが販売組織に得票割り当て。125人起訴
7.4・参議院選挙で全繊同盟が各組織委員長らを買収
7.4・参議院選挙で、鹿島建設ぐるみの買収
7.5・警視庁捜査一課、吉展ちゃん誘拐事件容疑者の自供によ
り、東京南千住の円通寺境内で被害者の遺体発見
7.7・東京地検、金融業者森脇将光を法人税法違反等で追起訴。37〜39年の3年間で約38億円を脱税
7.12・新潟県衛生部、阿野賀川下流の魚の販売を禁止
7.14・最高裁、和歌山県教組事件について職員団体に非職員の加入・役員就任を禁じた地方公務員法は合憲と判決
7.21・厚生省、新潟県阿賀野川流域在住で頭髪から多量の水銀が検出された女性への避妊指導実施を決定
7.21・厚生省、39年の簡易生命表を発表。平均寿命は順調に伸び男は67.67歳女は72.87歳
7.26・東京地検、吉展ちゃん誘拐事件の容疑者を営利誘拐・殺人・死体遺棄・恐喝罪で起訴
7.27・サハリン(樺太)墓参団が戦後初めて墓参に出発
7.29・神奈川県座間町で警官2人を殺傷した少年が東京・渋谷の鉄砲店に押し入り、店員を人質にしてライフルを乱射、16人に重軽傷を負わせて逮捕される
7.31・南太平洋戦没者慰霊団、サイパン・トラック・パラオ・グアム方面での遺骨収集・慰霊祭実施のため羽田を出発
7.- ・東京都のゴミ捨て場夢の島にハエ大量発生、江東地区一帯に飛来、問題化

8.3・長野県松代町付近で地震。「松代群発地震」の始まり
8.5・朝日新聞社、ベトナム戦争について世論調査を実施(〜8.6)。国民は平和的な話合いを切望し、日本の巻添えを心配
8.6・日本被爆者団体連絡協議会(森滝市郎理事長)主催の原爆死没者慰霊祭、広島市で開催。被爆者だけの主催による初の慰霊祭
8.14・東京地検、吹原産業事件で吹原弘宣・森脇将光ら3名を詐欺罪等で追起訴
8.14・「戦争と平和を考える」徹夜のティーチ・イン、赤坂プリンスホテルで開催。東京12チャンネルテレビ実況中継が途中で打切られ、問題化
8.18・日本青年海外協力隊事務局、フィリピン・マレーシア・ラオス・カンボジア4ヵ国へ38人の隊員派遣を決定
8.25・岩手県岩手郡で炭疸病が集団発生
8.25・新潟県内の17団体、新潟水俣病問題で民主団体水俣病対策会議(民水対)を結成
8.30・八海事件再審差戻し審で、広島高裁が阿藤ら4被告に有罪判決。弁護側は直ちに上告
8.30・小林章参院議員、専売公社ぐるみの選挙違反で警視庁に任意出頭

昭和40年7〜8月の主な出来事----教育・科学・文化

7.9・市立都留文科大学で自治紛争。学生、無期限同盟休校に
7.10・日教組、ILO・ユネスコの「教師の地位に関する勧告草案」について全面支持の意見書作成
7.16・文部省、39年6月30日現在で調べた学校給食実施状況の結果を発表。「辺地校」の完全給食普及率は30%前後
7.19・第53回芥川賞に津村節子『玩具』、直木賞に藤井重夫『虹』が受賞決定
7.30・谷崎潤一郎没(79歳)作家

8.17・高見順没(58歳)作家、日本近代文学館設立に尽くす
8.21・古代エジプトの秘宝を集めた「ツタンカーメン展」、東京上野の国立博物館で開催
8.22・山梨県の都留文科大学、学校方針に反対してデモ行進や学長つるし上げを扇動した学生自治会執行委員長ら22人を退学・無期停学処分にする
8.22・第47回全国高等学校野球選手権大会で、三池工業高校が初出場で優勝。工業高校の優勝は大会史上初
8.25・中村文相、日教組との話合いの前提条件として「教師の倫理綱領」の廃止・教師の政治的中立・実力行使の廃止を要求
8.25・文化財保護委と群馬・福島・新潟三県合同の尾瀬保存対策調査終了。41年から湿原立入禁止を提言
8.26・中村文相と日教組との単独会合(中央交渉)行なわれる
8.29・TBSテレビでアニメ番組『おばけのQ太郎』が放送開始。超人気番組となり、キャラクター商品が続々登場。『おばQ音頭』も大ヒット
8.- ・高崎経済大学、私学移管に反対し学生紛争

詳しい年表は「新聞集成 昭和編年史」40年版I〜VI付録(新聞資料出版)をどうぞ

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