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2019.10.16

昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事

昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事

2019年9月に刊行致しました「新聞集成 昭和編年史」41年版Iは昭和41年(1966年)1〜2月の記事を収録していますが、その期間に起きた主な出来事です。

詳しくは「新聞集成 昭和編年史」41年版I巻末の年表を御覧下さい。
昭和の戦後史、現代史を調べる参考になれば幸いです。
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昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事----世界

1.1・ローマ法王パウロ6世、中国・ソ連・南北ベトナム・米の指導者に和平を訴えるメッセージを送る
1.3・アジア・アフリカ・ラテンアメリカ3大陸人民連帯会議、ハバナで開く(〜1.15)。100ヵ国、500人の代表参加。帝国主義・新旧植民地主義反対闘争の強化を決議
1.3・ハンフリー米副大統領、極東4ヵ国訪問を終え帰国。各国政府に手交したベトナム和平14項目の米政府覚書を発表
1.4・北ベトナム、ハンフリー米副大統領の和平提案を拒否
1.5・南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)、ハンフリー米副大統領の提案を拒否
1.9・米豪軍、サイゴン北西のベトコン拠点「鉄の三角地帯」に対し攻撃を開始
1.10・インド・パキスタン和平首脳会談、「タシケント宣言」を発表し閉幕。2.25までの両軍撤退・外交関係の回復に同意
1.11・シャストリ・インド首相急死(61歳)。「タシケント宣言」後、宿舎で心臓マヒ
1.17・スペインの地中海上空で給油訓練中の米空軍B52爆撃機が燃料輸送機と衝突・墜落、水爆4個を海上に落とす。1個はすぐ回収したが2個は破裂して放射性物質が飛散、残り1個は長時間探してやっと回収
1.19・南ベトナム、旧正月(テト)休戦に入る
1.19・インド首相にインディラ・ガンジーが選出される。世界で2人目の女性首相
1.27・ジュネーブ軍縮会議、4ヵ月ぶりに再開。東側5ヵ国・西側4ヵ国・中立8ヵ国計17ヵ国代表参加
1.28・ホー・チ・ミン北ベトナム大統領、ベトナム戦争解決には北ベトナムの4条件の承認・北爆停止が必要と各国に書簡を送る
1.31・米空軍、38日ぶりに北爆を再開

2.1・国連の緊急安保理開く。ベトナム問題で国連平和会議を開催との米提案にソ連反対。仏も国連にベトナム問題関与の資格なしと声明
2.3・ソ連の「ルナ9号」、月面軟着陸に成功。「あらしの海」の写真を電送
2.7・ホノルルで米・南ベトナム首脳が会談。南ベトナムの民生安定を強調した「ホノルル宣言・声明」発表。グエン・カオ・キ首相が北爆強化を要求(〜2.8)
2.17・米下院調査団(ザブロツキー団長)のアジア報告が公表される。日米関係ではベトナム問題で深刻な対立が起こっていると報告。これにより米の日本への説明働きかけ積極化
2.24・ガーナで陸軍のクーデター。中国訪問中のエンクルマ大統領を免職、憲法を停止。国家解放評議会、全権を掌握。アンクラ中将が国家評議会議長に就任。この年アフリカでクーデター頻発
2.26・米、月旅行宇宙船テストとして「サタン1B型」ロケットの打上げに成功。アポロ計画第二段階へ

昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事----政治・外交・軍事・沖縄

1.4・インドネシアのデビ・スカルノ大統領夫人、ジャカルタのサリアシ病院建設の協力を日本に求めるために来日、佐藤首相にスカルノ大統領の親書を手渡す。前年9月30日のクーデター未遂事件の大統領亡命説を否定
1.7・ハリマン特使、佐藤首相・椎名外相と会談、ベトナム和平についての日本への期待表明。日本も協力約す
1.10・佐藤首相、ビノグラードフ駐日ソ連大使と会談。ベトナム和平への積極的行動をソ連政府に要請
1.15・椎名外相、現職外相として戦後初の訪ソに出発(〜1.26)
1.18・米原子力潜水艦「サーゴ」、佐世保に入港。労組共闘会議・市民会議が寄港反対集会を開く
1.18・参院本会議で40年度財政処理特別措置法(財特法)成立、19日公布。赤字国債発行へ
1.21・椎名外相とソ連側各担当相、モスクワで日ソ航空協定・日ソ貿易協定調印
1.22・椎名・グロムイコ両外相、モスクワで日ソ共同声明を発表。領土問題には触れず、日ソ相互理解を強調
1.22・社会党大会閉幕。役員選挙で、委員長は佐々木更三が江田三郎を破り、書記長は成田知巳が勝間田清一を破り各再選
1.25・衆議院、物価問題等に関する特別委員会の設置を決定
1.- ・沖縄米軍当局、具志川村に対し同村昆布の土地8haを新規に接収すると通知。実施期間は6月30日まで延期された

2.1・川島自民党副総裁、佐藤首相の特使としてアラブ連合など5ヵ国を歴訪(〜2.21) 
2.4・日本共産党、党機関紙「赤旗」に論文『アメリカ帝国主義に反対する国際統一行動と統一戦線を強化するために』発表。自主独立路線へ転換
2.5・川島特派大使、ナセル・アラブ連合大統領とカイロで会談。ベトナム和平などについて意見交換
2.7・日本共産党代表団(団長宮本書記長)、中国・ベトナム・朝鮮訪問
2.7・米国防総省ブリック次官特別補佐官らを中心とする調査団来日。防衛庁とバーターによるベトナム特需について会談
2.10・亀田得治参議院議員を団長とする日朝友好国民使節団、北朝鮮へ出発。北朝鮮直接渡航が初めて認められる
2.14・佐藤首相、参議院決算委員会で「原子力航空母艦の寄港は安全を確認すれば認める」と答弁
2.17・ソ連のクズネツォフ第1外務次官、中川駐ソ大使に対し「日本は米にベトナム侵略の兵站基地を提供している」との覚書を手交
2.17・下田外務次官、記者会見で非核保有国の安全保障問題と核拡散防止問題についての見解を述べる。大国の「核のカサ」に頼らず核兵器廃止を要求していくことこそ日本の安全保障の道と発言
2.18・横山政府特派大使、ベトナム和平協議のためヨーロッパ・中近東・アジア諸国歴訪に出発
2.19・椎名外相、衆議院予算委員会で「核のカサ」について統一見解を発表するが、明確な判断は示さず
2.23・バンディ米極東担当国務次官補、下田外務次官と安保体制下の核政策につき意見交換。核拡散防止問
題協議で意見一致
2.24・椎名外相、衆議院予算委員会で自衛隊国連監視団参加の可否について答弁。「監視団に対する兵員派遣を検討する時期になっており、それには自衛隊員が適格者であるが、自衛隊法の改正が要求される」と、国連監視団への自衛隊派遣の可能性を示唆
2.25・閣議、動員学徒137人への初の叙勲を含む3万5249人を対象とした第23回戦没者叙勲を決定

昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事----経済・産業・技術・労働

1.1・国鉄、「20年後の国鉄」ビジョン発表。首都圏と近畿圏を結ぶ超高速鉄道の建設、札幌から博多まで縦貫する新幹線体系の確立など
1.10・経済企画庁長官諮問の物価問題懇談会、初会合。政府の物価対策がきわめて不十分なことに批判が集中
1.11・日経連労務管理特別委員会、日本的レイオフ制度の骨子をまとめる
1.11・運輸省、運輸審議会の答申を受け私鉄運賃の値上げを認可。14社平均20.2%
1.17・経済企画庁、消費者動向予測調査を発表。支出の増加で借金などによる「やりくり世帯」が増える
1.20・私鉄大手14社と東京地下鉄一斉値上げ
1.24・日経連、『不況下の春闘と賃金問題』と題する「賃金白書」を発表。賃上げ抑制などを主張
1.25・全日本海員組合、第4波ストに突入
1.28・不況対策として戦後初の国債、第1回分700億円発行
1.- ・昭和40年夏から重電業界などで実施されていた帰休制度が相次ぎ解除に

2.1・経済企画庁の「今後3ヵ年間(41〜43年度)の経済運営の基本的考え方」を閣議了解。実質成長率を年平均7〜8%とするなど
2.7・東京証券取引所、公社債市場を4年ぶりに再開。30銘柄を上場、4月から国債も上場
2.8・農業白書『40年度農業の動向に関する年次報告』、閣議で了承。「三ちゃん農業」、兼業農家急増を指摘
2.8・東証ダウ平均株価、2年7ヵ月ぶりに1500円台を回復
2.10・電電公社、テレビ中継回線高規格化完成。3月20日から全国各地でカラーテレビ中継サービスが可能になる
2.15・大蔵省、40年の貿易概要(通関実績)を発表。戦後初の輸出超過
2.24・原子力委員会、41年度の原子力開発利用基本計画を決定。動力炉開発を積極的に推進の方向
2.17・海員組合争議、全内航の船主側が歩み寄り妥結
2.17・鉄鋼労連(三戸国彦委員長)、第33回臨時大会でIMF・JC(国際金属労連日本協議会)加盟を正式決定
2.27・春闘共闘委員会主催の第1回物価メーデー。「お嫁に行けない物価高」のプラカードが話題。米価・私鉄・地下鉄・国鉄・水道・国民健康保険と値上げが続き、庶民の生活を圧迫、この物価メーデーには東京で約32万人、全国で約210万人が参加、メーデーを除けば戦後最大の集会となる
2.- ・世界的な銅不足で、国内でも電線が盗まれて停電するなど生活にもひびく

昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事----社会

1.3・長野県北部から中部に地震、松代では群発地震開始以来11回目の震度4を記録
1.8・厚生省、3月までに東京・大阪・尼崎の3カ所に大気汚染測定所を開設し、常時観測を開始する、と新聞報道
1.21・東京地裁、昭和31年の教育二法案をめぐる国会乱闘事件で亀田得治参議院議員ら4被告全員に無罪判決
1.23・長野県松代町を中心に中部・関東地方で地震。震源の松代町で震度5を初記録
1.24・三重県度会郡南島・南勢漁協連、中部電力原発建設計画の県説明会に対して反対声明を発表
1.26・岡山県警、元参院副議長秘書を参院副議長室で暴力団にピストルを斡旋しリベートをとった容疑で逮捕
1.27・大阪府八尾市の生活保護世帯の母子、「冷蔵庫を持つのは贅沢」と市のケースワーカーに言われ心中
1.28・最高裁、山林入会権をめぐる「小繋事件」の上告棄却、全被告の有罪確定。入会権消滅を認める判決
1.28・東京国税局、森脇文庫の脱税に関する調査を終了。脱税・重加算税・延滞税合わせて約100億円と発表
1.30・東京江東地区の小学生1681人を検診の結果、9割に大気汚染による異常がある、と新聞報道
1.31・東京高裁、八幡製鉄政治献金事件につき「政治献金は社会的に有用な行為、会社の目的に属する」と判決。定款違反行為とした一審判決を取消し、原告請求を棄却

2.4・全日空ボーイング727型機、羽田空港着陸直前に東京湾に墜落、乗客乗員133人全員死亡。世界航空史上最大の民間機事故
2.7・富里新空港建設に反対する新国際空港設置反対同盟の2500人、千葉市で抗議集会。デモ行進で、一部農民が県庁に乱入。この年初めての反対のための大量行動
2.13・17歳の少年、京都市内で警官を刺してピストルを奪い知人2人に発砲、1人死亡1人重体。14日逮捕
2.15・東京地裁、新島の「ミサイル道路」のうち6ヵ所の所有権を主張する基地反対派住民の訴えを認める
2.16・千葉中央署と千葉県警、7日の新国際空港設置反対抗議大会のデモのときに、デモ隊の一部が県庁内になだれ込んだ事件で、富里村の農民3人を建造物侵入の疑いで逮捕。富里新空港反対運動で逮捕者が出たのは初めて
2.16・石川島播磨重工業名古屋造船所で、内装仕上げ中のLPGタンカー「第3ブリヂストン丸」が火災。下請作業員15人死亡
2.16・徳島県阿南市の生活保護対象の女性、電話を「ぜいたく品」と止められ人権侵害で徳島地方法務局へ訴える、と新聞報道
2.24・広島県広島市中心部の繁華街で大火。遊技場から出火
2.26・厚生省、前年9月都内で実施の自動車排気ガス人体影響調査の結果を発表。交差点付近の一酸化炭素汚染は中毒一歩手前の状態
2.- ・東海道新幹線の線路沿いの岐阜県大垣市の小学校が、移転を決定。また同じく静岡県浜松市の2つの中学校も、騒音と震動に悩まされ統合移転を決定

昭和41年(1966年)1〜2月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

1.2・NHK大型ドラマ第4作『源義経』放送開始。尾上菊之助主演
1.2・TBS『ウルトラQ』放送開始。円谷特撮プロダクション制作。これをきっかけに怪獣ブームとなり、玩具市場に怪獣が氾濫
1.2・カルカッタで開催のアジア・テニス選手権大会男子ダブルスで、石黒修・渡辺康二組が優勝
1.2・長谷川町子『意地悪ばあさん』、「サンデー毎日」で連載開始。結婚の条件は「家つき、カーつき、ババア抜き」といわれたこの頃、意地悪ばあさんが人気をよび、42年には青島幸男主演でテレビドラマ化される
1.3・読売新聞社、『物価戦争』と題した連載記事を開始し、流行語となる
1.3・第42回東京箱根往復大学駅伝競走で、順天堂大学が大会新記録で初優勝
1.5・第7次南極観測隊が東オングル島上陸、4年ぶりに昭和基地再開
1.6・横浜国立大学学芸学部教授会、学部名称を教育学部に変更の方針決定。1.27同学部学生無限スト、2.9学園封鎖・自主管理を開始。3月末、紛争解決
1.10・古都保存法(古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法)公布。開発による破壊を規制
1.15・昭和20年1月16日から21年1月15日の間に生まれた約150万人の「戦後っ子」が成人式を迎える
1.18・早稲田大学学生、授業料値上げ反対・学生会館運営参加要求でスト
1.21・早稲田大学、理工学部も参加して初の全学スト
1.23・N H K 『アンディ・ウィリアムズ・ショー』放送開始
1.23・朝日新聞 1000万円懸賞小説当選作のドラマ化『氷点』NET放送開始
1.24・東京大学大医学部4年生99人、インターン制度をめぐり大学当局と対立し卒業試験をボイコット(〜1.26)
1.26・文部省、ベビーブームによる大学生急増対策を発表。定員増は3万2503人、うち8割は私立大学
1.29・早稲田大学、試験場の早稲田実業高校に約6000人の抗議デモで、4年生卒業試験を中止
1.31・高崎市立経済大学生自治会、聴講生の大量本科編入に反対して後期試験をボイコット(〜2.8)

2.2・医学連、東京・千代田区の清水谷公園でインターン制完全撤廃決起集会。デモ行進で1人逮捕
2.3・埼玉大学学生大会、学部分割移転・教員養成所設置反対で試験ボイコット決議。10日全学スト突入
2.4・東京理科大学自治会、授業料値上げに反対して無期限ストに突入
2.4・全学ストの早稲田大学で大浜総長と1万5000人の学生が大衆団交。総長の「全員反対しても値上げする」の言明に交渉決裂。10日共闘会議、大学本部封鎖・占拠闘争に突入、12日体育会のスト破りを実力で粉砕
2.4・『戦場に消えたジョニー』など米国の反戦・厭戦フォークソングが日本で流行、と新聞報道
2.5・NET『おそ松くん』放送開始。赤塚不二夫作の人気マンガのテレビ化
2.6・SFの愛読者が急増し、東京の科学創作クラブの『宇宙塵』など同人誌が多数発刊されている、と新聞報道
2.7・社会派ドラマ『若者たち』放送開始(フジテレビ)。主題歌『若者たち』が大ヒット
2.11・モナコのモンテカルロ国際テレビフェスティバルで、TBS『戦争と子供』が歴史部門の第1位に入賞
2.12・第20回毎日映画コンクールで『赤ひげ』が日本映画賞受賞
2.12・イタリアで開催のユニバーシアード冬季大会の男子フィギュアで佐藤信夫(国土計画)が優勝
2.13・第15回別府毎日マラソンで、寺沢徹が4連勝
2.18・地震観測が強化され、核実験停止の圧力となるスウェーデン提案の核実験探知クラブ創設の動きが新聞に
2.21・大浜早大総長、警官隊の出動を要請し占拠学生を排除、入試会場確保のため本部構内を封鎖(〜3.6)

詳しい年表は「新聞集成 昭和編年史」41年版I〜VI付録をどうぞ

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