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2020.07.27

昭和41年(1966年)9〜10月の主な出来事


2020年7月に刊行致しました「新聞集成 昭和編年史」41年版Vは昭和41年(1966年)9〜10月の記事を収録していますが、その期間に起きた主な出来事です。

詳しくは「新聞集成 昭和編年史」41年版V巻末の年表を御覧下さい。
昭和の戦後史、現代史を調べる参考になれば幸いです。
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昭和41年(1966年)9〜10月の主な出来事----世界

9.11・仏、太平洋ムルロア環礁で核実験。ド・ゴール大統領が実験視察
9.12・米の人間衛星「ジェミニ11号」、1周目でアジェナ・ロケットとドッキング成功
9.13・南アフリカ共和国首相に強硬な人種隔離政策論者、フォルステル法相選出
9.24・仏、最初の水爆実験を南太平洋ファンガタフア環礁で実施
9.28・インドネシア、国連に正式復帰
9.28・米の南ベトナム援助軍司令官、非武装地帯約130平方kmでの枯葉作戦許可をワシントンに申請

10.4・仏、太平洋ムルロア環礁で6回目の核実験
10.9・中共中央工作会議開催。席上で林彪、劉少奇国家主席と小平党総書記を名指しで攻撃。両名自己批判
10.10・ジョンソン米大統領、グロムイコ・ソ連外相と会談し核拡散防止と軍縮を討議
10.21・国連、41年度『人口年鑑』出版。世界人口は日に18万人増え、40年10月現在32億8500万人
10.24・ベトナム参戦7ヵ国首脳会議、マニラで開く(〜10.25)
10.25・インドネシア軍事法廷、スバンドリオ前外相に死刑の判決
10.26・国連総会、アジア・アフリカ40ヵ国共同提案のアパルトヘイト(人種隔離)禁止決議案を採択
10.27・西独、エアハルト内閣連立与党の自由民主党4閣僚、増税に反対し辞任。連立政権分裂
10.27・中国、誘導ミサイルによる核実験に成功

昭和41年(1966年) 9〜10月の主な出来事----政治・外交・軍事・沖縄

9.1・参院決算委、国有林払下げ・国有地転売等の疑惑追及を開始
9.1・沖縄問題懇談会(総理府総務長官の諮問機関)、初会合。「沖縄における教育権の分離返還は理論的に可能である」ことを確認
9.3・各紙、荒舩運輸相が選挙区の深谷駅に急行が停車するよう国鉄ダイヤに改定(10.1実施)させたと暴露
9.4・松野農相、国有林処分価格を不当評価との野党追及に、審査基準再検討を林野庁長官に指示、と新聞報道
9.5・米原子力潜水艦「シードラゴン」号、横須賀に入港(〜9.9)。米原潜、初の横須賀・佐世保同時停泊
9.5・米原潜の横須賀入港に反対し、同市米海軍基地近くの臨海公園で革新系団体や一般市民などが「ベトナム侵略反対、原潜寄港阻止横須賀大集会」開催
9.10・田中彰治代議士、衆議院議長に辞表を提出
9.12・荒舩運輸相の深谷駅急行停止問題、衆参両院で追及
9.13・田中彰治代議士辞表、野党の除名要求に反して受理される
9.17・東京国税局、田中彰治前代議士を2億7500万円の脱税容疑で東京地検に告発
9.19・三重県の原発予定地視察のため長島町を訪れた国会視察団、原発反対漁民らの激しい反対にあい視察を中止
9.21・自治省、40年の政治団体収支状況発表。収入総額118億6600万円、1位自民党33億8000万余円
9.23・椎名外相、国連総会の一般討論演説でベトナム戦争の話し合いによる解決を訴え、米提案を支持
9.26・足尾銅山の90年にわたる鉱毒問題、国会で追及される
9.27・社会党、参議院決算委で共和製糖への不当融資問題を追及。以後衆参両院関連委員会でも追及
9.28・ワトソン高等弁務官、立法院の裁判移送撤回要請を正式に拒否し、友利・サンマ事件を米国民政府裁判所で審理させるために判事3人を任命
9.28・ジョンソン米大統領、ワトソン高等弁務官の辞任発表と共に後任にフェルディナンド・T・アンガー中将を任命

10.1・川島特派大使、東欧3国歴訪に出発(〜10.19)
10.1・厚生年金基金制度(調整年金制度)発足
10.3・次官会議で都市周辺の不要国有農地を旧価格で旧地主へ返還決定、猛反対で6日再検討となる
10.3・東大教授有志、建国記念日審議会に「2月11日は学問的にいわれがない」と反対の申入れ。日本国民会議は賛成の陳情
10.5・沖縄米民政府民事裁判所で「友利・サンマ課税」の移送裁判始まる
10.11・佐藤首相、急行停車問題の荒舩運輸相を更迭、後任は藤枝泉介元防衛庁長官
10.12・野党各党、相次ぐ不祥事の責任をとれと政府・自民党に申入れ
10.14・社会・民社・公明・共産4党の院内共闘成立
10.14・佐藤首相、自民党の綱紀粛正について具体的対策を指示、党風刷新に組織調査会を設置
10.17・衆院決算委等で「黒い霧」問題追及。上林山防衛庁長官が防衛庁幹部を引き連れ選挙区の鹿児島を視察した問題など追及。院内共闘で初の野党4党国対委員長会談開催
10.19・椎名外相、東南アジア4ヵ国訪問に出発
10.19・日本学術会議第47回総会で、学問と思想の自由委員会(宗像誠也委員長)、建国記念日を2月11日とするのは不適当と報告
10.20・佐藤首相、衆院予算委で一連の不祥事件に対し「不信解消へ措置、党の体質改善を急ぐ」と政界刷新の決意を表明、野党の総辞職要求を拒否
10.23・佐藤首相、お国入り問題の上林山防衛庁長官をしかる
10.24・建国記念日審議会、東京・仙台・大阪・広島で「建国記念の日」をいつにすべきかの公聴会を開催
10.24・建国記念日制定公聴会開催に反対する京大・立命館大などの学生約40人、大阪会場前に座り込み
10.24・日本共産党第10回大会(〜10.30)。自主独立路線確認、野坂参三議長・宮本顕治書記長を四選
10.25・椎名・ラジャラトナム外相会談、シンガポール中国人戦没者補償問題妥結。約60億円の無償援助など
10.29・自治省、政治資金の流れへの世論の批判に、規正法強化のため政党等の収支報告書の検討を開始、と新聞報道
10.30・コザ市(現沖縄市)で、米兵と住民の口論を見たCID(米軍犯罪捜査部)の米兵が住民に発砲し2人重体

昭和41年(1966年) 9〜10月の主な出来事----経済・産業・技術・労働

9.1・東洋レーヨン、60歳まで定年延長。ただし「無能者は50歳で退職させる」とも
9.1・三木通産相、日本原子力発電会社の東海発電所の一部使用を承認し、わが国初の商業用原子力発電所が営業運転開始
9.1・大蔵省、総合保障型および災害保障型のわが国初の「海外旅行生命保険」を認可
9.1・新型自動車に対する排気ガス規制実施。一酸化炭素3%以下
9.5・世界一の大型タンカー出光丸、石川島播磨重工横浜工場で進水(7日進水式)。20万9000重量t
9.10・労働省、40年「婦人労働白書」まとめる。女子就業者の平均年齢は28.1歳で半数近くが既婚者
9.14・全日空、3ヵ月前予約制度の導入などで10,11月の新婚旅行約7000組の予約を獲得、と新聞報道
9.14・経済企画庁、新産業都市などの現況を発表。全14地区で重化学工業95など224工場を誘致
9.21・経済企画庁、40年度国民所得と国民総生産を発表。1人当り国民所得24万8422円で自由世界21位に
9.29・東京商工興信所、4〜9月の負債1000万円以上の倒産は2982件と発表。倒産は依然高水準、と新聞報道
9.30・国民生活審議会「望ましい生活の未来像」答申草案の大筋了承。5年後1世帯1住宅、20年後乗用車は3人に1台
9.30・農林省、40年度農業調査を発表。農家数減り機械化進む

10.1・東京・大阪両証券取引所、戦後初めて国債を上場、初値98円45銭
10.5・経団連、「公害政策の基本的問題点」と題した意見書を発表。産業の発展を妨げる規制をすべきでないと強調
10.5・トヨタ自動車、トヨタ2000GTが長距離連続高速運転世界新の平均時速206.18kmを記録、と発表
10.7・東芝、57歳から60歳への条件付き定年延長で労組と合意。雇用延長制、賃金は一年ごとに低下
10.7・公害審議会(和達清夫会長)、「公害に関する基本的施策について」と題する第1次答申を鈴木厚相に提出。公害発生者の無過失責任について「限度を越えれば企業に賠償責任」と、中間報告より軟化
10.7・東京海上火災、地上30階(127m)の高層ビル建築を東京都に申請。丸の内地区美観論争おこる
10.15・トヨタ・日野各自動車工業および各自動車販売の4社、業務提携を発表。日野がトヨタグループに参加
10.15・第2回ソビエト商工業見本市、大阪で開催。特設劇場ではヒザ上10cmのニューモードが現れる
10.17・メーカーや百貨店、大量生産・販売時代に「色で売ろう」と車から洗濯機まで流行色で宣伝、と新聞報道
10.18・農林省、40年度農家経済の動きを発表。消費の伸び都市を上回る
10.22・日産、御料車「ニッサンプリンスロイヤル」を発表
10.25・総理府統計局、40年国勢調査の一部を閣議に提出。就業者4763万人中、農林漁業者は25%を割る
10.25・経済企画庁、25系列による景気動向指数に基づき「一昨年からの不況は40年10月に谷底につき、その後は順調な景気回復期にある」と判断
10.27・産業構造審議会、「産業公害対策のあり方について」を三木通産相に答申。公害発生には国や自治体にも責任あり、など

昭和41年(1966年) 9〜10月の主な出来事----社会

9.5・台風18号宮古島を襲い、平均最大風速60m・瞬間最大風速85mの新記録。砂糖キビ等の農作物が殆ど全壊状態になる
9.9・厚生省特別研究班、新潟水俣病について「5月に昭電鹿瀬工場の排水口より採取した水苔からメチル水銀を検出」と発表。排水口付近からの水銀検出ははじめて
9.10・広津和郎、東京地裁の松川事件国家賠償訴訟口頭弁論で「裁かれるものには裁判批判権がある」と証言
9.13・東京原宿の表参道で、深夜営業の飲食店や街頭に車などで集まる青少年「原宿族」が増加、と新聞報道
9.14・東京高裁、東大ポポロ劇団事件のやり直しの控訴審で、差戻しの1審通りの有罪判決
9.15・初の「敬老の日」
9.16・終戦前から韓国で暮らす「日本人妻」66人の里帰りが地婦連などの協力で実現、小倉港に帰着
9.17・長野県松代町牧内地区で、群発地震の影響で地すべり発生
9.17・下関へ北朝鮮から漁船「平新艇」乗組員13人密入国。首謀者4人は韓国強制退去、他はソ連船で帰国。平新艇事件
9.18・仏の哲学者ジャンポール・サルトルと女流作家シモーヌ・ド・ボーヴォワール来日(〜10.16)
9.20・総評、ベトナム反戦統一行動を世界の主要労組に呼びかけ
9.25・台風26号、静岡県御前崎に上陸、関東・中部地方に大被害。山梨県足和田村、山津波で惨事
9.30・富山県特殊病対策委・厚生省委員会・文部省研究会が合同会議。イタイイタイ病の原因はカドミウム説が濃厚と最終報告をまとめ、解散

10.12・東海地方に記録的豪雨、東海道新幹線全線止まる
10.13・B・ラッセルの提案による「国際戦争犯罪法廷」の運動を支持して、「ベトナムにおける戦争犯罪調査日本委員会」設立
10.13・阿部知二・中野好夫ら文化人の310人、「10.21反戦平和ストライキ支持の声明」発表
10.15・べ平連主催のベトナム戦争討論集会。来日中のサルトル・ボーヴォワールらも論戦、1200人参加
10.15・来日中のサルトル、10.21反戦統一スト支持のメッセージを総評に送る
10.21・総評のベトナム反戦統一スト、全国規模で実施。秋闘第3次統一行動中央総決起大会、日比谷で開催
10.21・法務省、41年の「犯罪白書」を閣議に報告。交通犯罪、公務員の収賄事件が急増
10.21・東京で開かれた世界動力会議参加の7ヵ国代表、火力発電所の排ガス(亜硫酸ガス)の公害問題に関する会議を開く
10.21・千葉県で開催の第23回日本公衆衛生学会で、京葉工業地帯の大気汚染について「始まったばかりだがこの段階で十分な調査と対策が必要」との発表がなされる
10.25・日中友好協会、社会党系と日共系に分裂
10.26・労働省と福岡労基局、昭和38年11月の三池炭鉱爆発事故の一酸化炭素中毒患者738人に対する労災補償を10月で打切ると通告
10.31・総理府調べで、12〜17歳の青少年で毎日2時間以上テレビを見る者が68%
10.- ・東京都世田谷区の環七・大原交差点周辺の住民、ぜん息多発への自衛手段で酸素吸入器の使用を開始社会編

昭和41年(1966年) 9〜10月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

9.5・第1回プロ野球ドラフト会議開催。江夏豊(大阪学院)は阪神、水谷孝(三重高)は阪急が交渉権を得る
9.21・スペインの画家ホアン・ミロ夫妻来日(〜10.5)
9.23・ドルトムントの第16回世界体操選手権大会で、日本男子が2位ソ連に4.25の大差を付け団体優勝
9.26・1966年イタリア賞にNHKの2作品受賞。テレビ・ドキュメンタリー部門の受賞は初めて

10.1・極東軍事裁判の判事、インドのラダ・ビノッド・パール来日(〜10.12)
10.3・ラジオ関東(現・ラジオ日本)初の終夜放送『オールナイト・パートナー』開始
10.10・初の「体育の日」
10.17・元極東国際軍事裁判判事のインドのパール博士、来日中の講演料7万5000円を原爆ドーム保存募金に寄付
10.20・41年度プロ野球最優秀選手にセ・リーグ長嶋茂雄、パ・リーグ野村克也が選ばれる
10.21・新聞界初の文化勲章、高石真五郎毎日新聞最高顧問受章
10.23・第21回国民体育大会秋季大会、天皇・皇后を迎え大分で開幕
10.25・三宅義信、国体3日目の重量挙げ一般フェザー級のスナッチで124kgの世界新記録
10.30・第3回ソウル国際マラソンで寺沢徹2位、君原健二3位。優勝はエチオピアのアベベ
10.30・江利チエミと中村八大、リオデジャネイロの第1回国際歌謡フェスティバルで特別賞を受賞
10.31・中央教育審議会(森戸辰男会長)、「後期中等教育の拡充整備について」最終答申。技術学科・家政高校の配置など「多様化」を強調、「期待される人間像」は別記にとどめる
10.31・東大宇宙空間観測所、国産初の大型ロケット「ミュー1型1号機」打上げに成功

詳しい年表は「新聞集成 昭和編年史」41年版I〜VI付録をどうぞ

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