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2020.12.15

昭和42年(1967年)1〜2月の主な出来事


2020年11月に刊行致しました「新聞集成 昭和編年史」42年版Iは昭和42年(1967年)1〜2月の記事を収録していますが、その期間に起きた主な出来事です。

詳しくは「新聞集成 昭和編年史」42年版I巻末の年表を御覧下さい。
昭和の戦後史、現代史を調べる参考になれば幸いです。
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昭和42年(1967年)1〜2月の主な出来事----世界

1.6・米海兵隊、南ベトナムのメコン・デルタに初進攻(〜1.15)
1.8・北京の天安門前で紅衛兵が劉少奇・小平打倒大会を開催、大会後北京市内をデモ行進
1.8・米・南ベトナム連合軍がサイゴン北北西の「鉄の三角地帯」に大攻勢
1.9・上海の32の革命左派勢力組織、経済主義との闘争・奪権を訴えた「緊急通告」を発表。上海全市、労働者や学生紅衛兵などにより人民管理体制の下に置かれる。この頃より各省で奪権闘争、革命委員会成立
1.10・ウ・タント国連事務総長、米の北爆無条件停止を主張。南ベトナムが共産化すれば周辺国に波及するという「ドミノ理論」に反対
1.11・中国共産党中央委と国務院(政府)、上海の奪権闘争を支持。上海一月革命はじまる
1.11・中国共産党中央委、人民解放軍文化革命小組を改組。党中央が直接指導
1.17・ソ連国防相、ミサイル迎撃ミサイル(ABM)の実戦配備を発表
1.25・モスクワで中国人学生と警官隊が衝突。26日中共、ソ連に抗議
1.26・北京のソ連大使館周辺で大がかりな反ソデモ。デモ、中国全土に広がる
1.27・宇宙空間平和利用条約調印式。米英ソ、日本など参加。モスクワ・ワシントン・ロンドンで同時調印
1.27・米ケープケネディ基地でアポロ宇宙船が飛行演習中に炎上、3宇宙飛行士死亡
1.30・ポドゴルヌイ・ソ連最高会議幹部会議長、社会主義国元首として初めてローマ法王と会見
1.31・マンスフィールド米上院議員、上院外交委員会で沖縄・小笠原の返還を主張

2.3・モスクワで中国大使館事件おこる。中共側はソ連警官が大使館員を殴打と発表、ソ連側は否定
2.4・ソ連、北京大使館デモ事件などで「忍耐にも限度あり」と中共に強硬抗議
2.5・上海の毛沢東・林彪派、初のコミューン方式による都市人民公社の成立を宣言。上海コミューン成立
2.6・ベトナムで米軍が枯葉剤を使用開始
2.6・コスイギン・ソ連首相訪英、ベトナム和平は北爆停止が先決で英ソ一致(〜2.13)
2.9・インドネシア国会、スカルノ大統領解任を決議
2.10・コスイギン・ソ首相、反毛派に共感寄せる旨声明
2.12・アジア・アフリカ人民連帯機構理事会開会(ニコシア)、親中国派ボイコットで事実上分裂
2.13・米、ソ連首相の離英を待って北爆再開
2.14・中南米14ヵ国、中南米非核武装条約に調印
2.15・インド総選挙で国民会議派、大幅な後退
2.22・スカルノ・インドネシア大統領、スハルト議長に行政権限移譲
2.24・上海に、臨時最高権力機関として革命委員会成立
2.24・米軍、ベトナム非武装地帯北部を初めて地上砲撃

昭和42年(1967年)1〜2月の主な出来事----外交・政治・軍事・沖縄

1.6・日本婦人有権者同盟(市川房枝会長)、汚職で解散した茨城県議会議員選挙で青空演説会開催
1.6・沖縄で米兵の凶悪犯罪続発に松岡琉球政府主席、米民政府に抗議。ベトナム戦争激化に伴い犯罪増加
1.7・沖縄の革新3党(社大党・社会党・人民党)と沖縄教職員会・復帰協などの民主団体、「教公二法案阻止共闘会議」を結成
1.8・第31回総選挙が公示され、123選挙区で選挙戦が始まる。最高裁判所裁判官の国民審査も告示
1.8・自治省と警視庁、日本婦人有権者同盟による「青空演説会」を、公職選挙法の疑いがあると開催を認めず
1.8・茨城県議選で汚職関係12候補中8人まで当選、問題化
1.11・自治省、日本婦人有権者同盟の「青空演説会」開催を許可
1.15・選挙法改正による補充選挙人名簿廃止で新成人40万人が29日の総選挙の選挙権を失う、と新聞報道
1.19・佐藤首相、教育権を含む沖縄一括返還が望ましいと発言
1.23・大橋運輸相、新東京国際空港公団の工事実施計画の申請を正式認可
1.24・日本共産党、「赤旗」で「紅衛兵の不当な非難に答える」を発表。初めて公然と中共を批判
1.25・琉球立法院文教社会委、教公二法案(地方教育公務員法・教育公務員特例法)を民主党単独採択。勤評実施と教員の政治活動禁止が目的
1.29・第31回衆議院議員総選挙。自民277・社会140・民社30・公明25。自民得票率、初めて50%を割る

2.1・外務省の下田武三事務次官、「米軍に対して基地の自由使用を保証することが施政権返還の前提条件である」との見解を表明。「核基地の容認を含めて基地の自由使用方式」を提唱して物議を醸す
2.3・アンガー高等弁務官、立法院本会議で就任後初めてメッセージを朗読し、沖縄の日本復帰問題について言及。米国民政府の責任者が沖縄の日本復帰を公然と認める発言をしたのは初めて
2.9・政府が沖縄返還問題で統一見解、全面返還の方針決定
2.9・下田外務事務次官、核拡散防止条約について「平和利用が目的の核実験は日本にも権利がある」と主張
2.10・米原潜「シードラゴン」、佐世保入港
2.13・公明党4回大会、委員長竹入義勝・副委員長北条浩・白木義一郎・書記長矢野絢也を選出
2.15・第55回特別国会召集。二世議員の初登院
2.15・衆参両院に沖縄問題に関する特別委員会を新設
2.17・国会、佐藤栄作を首相に指名。前閣僚をそのまま再任して第2次佐藤内閣発足
2.18・日本婦人有権者同盟、「総選挙直後の世論調査の結果、婦人の政治意識は向上」と報告
2.19・美濃部亮吉東京教育大学教授、社会党からの東京都知事選挙立候補要請を受諾
2.21・社会・民社・公明の野党3党が物価安定などで初の政策協定
2.22・佐々木社会党委員長、「民社党は第2保守党の本質暴露」と発言。西尾民社党委員長、重大な侮辱と反論。3.10両者公開討論
2.22・公害対策基本法案の要綱、公害対策推進連絡会議(議長塚原総理府総務長官)でまとまる。公害規制に「環境基準」、事業者も費用負担
2.23・米原潜「スカルピン」、米海軍横須賀基地に入港。労組員・学生ら約250人抗議集会
2.24・都知事選挙で、自民党も民社推薦の松下正寿立大総長を候補者に決定
2.24・琉球立法院、2万人のデモ隊に囲まれ本会議流会。与党民主党、教公二法案を事実上廃案とすることに一応同意。11月22日教公二法廃案
2.25・美濃部亮吉氏、社会の都知事選挙立候補要請を正式受諾
2.28・政府、首相の諮問機関として物価安定推進会議の設置を閣議決定。3.7初会合

昭和42年(1967年)1〜2月の主な出来事----経済・産業・技術・労働

1.4・東京証券取引所大発会、第2回国債上場。額面100円につき98円40銭の相場
1.9・三洋電機、16万3000円の19インチカラーテレビ売出しを発表
1.10・経済企画庁、独身勤労者(15〜29歳)の消費動向調査結果を発表。衣料費が収入の22.5%を占める
1.14・厚生省、「日本の家庭とその家庭の生活調査」結果発表。勤労者の27%は現在の収入に不満を持つ。子どもを持つ婦人就労者の63%は経済上の理由で就労
1.25・経済企画庁、昨年4〜6月期国民所得統計を発表。急速な景気回復を示す
1.25・ロイド船級協会、66年度の世界の商船進水1430万トンと発表、日本は1位を占める
1.27・総理府統計局、41年の全国平均消費者物価指数を発表。米価・運賃値上げが響き、5.1%上がる
1.28・国際商業衛星通信の開通式、東京で開催。通信衛星「ラニーバード2号」による日米間のテレビと電話の中継営業を開始
1.30・自動車工業会と日本小型自動車工業会、輸出台数前年比31.7%増と発表

2.1・日本開発銀行、日産自動車に40億円を貸付。体制金融の第1号
2.2・日銀、国債653億円を買入れ。国債対象買いオペレーションの最初
2.7・トヨタ自動車工業、日本で初めて生産累計300万台を達成、祝賀式
2.9・ベトナム和平説流れて東証ダウ平均1446円66銭と史上8番目の暴落
2.14・総理府統計局、41年の労働力調査結果を発表。労働人口比率は上昇、農林就業は減少続く
2.15・資本取引き自由化対策特別委(有沢広巳委員長)初会合
2.20・総合エネルギー調査会(植村甲午郎会長)、海外原油開発・原子力発電技術の開発などエネルギーの自主性を答申
2.21・日米漁業第2次交渉、妥協できず中断(2.6〜ワシントン)
2.22・日本、1966年の世界自動車生産で初めて第3位
2.25・東京商工興信所、2月の全国企業倒産状況を発表。負債1000万円以上734件、前年比35.4%増で新記録
2.25・法務局入国管理局、41年の出入国統計を発表。海外観光ブームで、戦後初めて出国が入国を上回る

昭和42年(1967年)1〜2月の主な出来事----社会

1.1・谷川岳で駒草山岳会員遭難。3人が猛吹雪に巻込まれ、2人は11日にヘリコプターで救出されたが、残りの1人は死亡
1.3・北陸地方に大雪。9日にかけて信越地方をはじめ全国各地が猛吹雪に襲われ、国私鉄各線で特急列車などの運休や遅延が相次ぐ
1.10・谷川岳で駒草山岳会員の救助活動をしていた新潟県三条市捜索隊が、雪崩に巻込まれて二重遭難、5人死亡
1.12・日本血液銀行協会、買血を4月から全廃、預血のみとすることを決定
1.14・17日にかけて北海道と日本海側が猛吹雪に見舞われ、鉄道各線に遅れが出る。全国各地にも雪が降り、鹿児島市では13僂寮兩磴魑録
1.18・三鷹事件の竹内景助獄死。45歳
1.21・公選法改正により総選挙に投票できなくなった新成人の青年が、東京地裁に「選挙権行使を求める仮処分」申請。25日に執行停止請求と選挙人名簿登録請求の提訴、27日東京地裁請求却下
1.23・愛知・千葉・山梨での連続女性殺人事件で、混血少年を別件逮捕
1.23・自治省消防庁、41年の火事実態を発表。焼死者は戦後最高
1.24・東京都都市公害部、スモッグ警報発令。発令時間6時間で過去最長
1.25・日本農村医学会、第8回「農民の健康会議」で、42.3%の農民が農薬中毒と報告される

2.2・ベトナム話合いの会、在日米兵を通じて米の母や妻にベトナム停戦を訴えるカードを送る運動の推進決定
2.3・農林省、国民の栄養水準調査結果を発表。40年の国民の1日栄養摂取量は西欧の約70%
2.4・厚生省、政府による初の原爆被爆者実態調査の結果発表。40年11月現在の生存者29万8500人
2.7・労組活動の限界で争われていた静岡安西郵便局事件で最高裁が異例の自判。「点検闘争は認めるが強行立入りは有罪」と、実刑破棄し執行猶予の判決
2.8・東京地検特捜部、共和製糖不正融資事件で菅貞人前社長ら7人逮捕
2.11・初の建国記念日、各地で祝賀行事や抗議集会開催
2.15・羽田空港ビルで時限爆弾による殺人未遂事件起る。2人重体。原因は負傷者の1人を狙った爆殺未遂。24日に容疑者
2人逮捕。この年、東京駅・新幹線車内・山陽電鉄車内などで同種の事件続発
2.17・沖縄本島の石川市で火災、68世帯が被災。沖縄で戦後最大の火災
2.19・成田市三里塚の新東京国際空港予定地内に、反対同盟の第1号団結小屋完成
2.21・日本婦人有権者同盟、総選挙での政界浄化運動・青空演説会による啓蒙運動で「明るい社会賞」(朝日新聞社)受賞
2.21・水質審議会、群馬県渡良瀬川の流水基準を答申
2.23・警視庁が血清豚密売のグループの摘発を開始。コレラワクチン製造に使われた豚が食品メーカーに流れていたことが判明、ソーセージの売れ行きがガタ落ちとなる
2.25・横須賀で、社共両党と現地実行委共催の米原潜入港抗議集会
2.- ・東京都板橋区の調査で、工場地帯の学童の肝臓障害発生率は住宅街児童より高いと判明

昭和42年(1967年)1〜2月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

1.3・第43回東京−箱根往復大学駅伝競走で、日大が10度目の優勝
1.9・世界女子バレーボール大会での社会主義国の国名呼称問題発生
1.13・文部省、建国記念日の学校での扱い方につき「学習指導要領に依拠」と次官通達
1.19・高崎経済大と群馬大の学生約110人、昨年の私学化反対闘争で起訴された学生1人の初公判に抗議デモ、全員傍聴するが怒号で混乱し3分で閉廷
1.20・癌研主任研究員の高山昭三博士、ネズミによる実験でタバコのタールで肝臓ガンも発生と発表
1.23・高崎経済大学生自治会、不正入学と後援会費一括払いに反対して授業放棄
1.23・第56回直木賞に五木寛之の『蒼ざめた馬を見よ』、芥川賞に丸山健二『夏の流れ』受賞決定
1.25・理化学研究所(赤堀四郎理事長)、日本最大のサイクロトロン完成
1.25・べ平連主催「みんなでベトナム反戦を!ジョーン・バエズを囲む夕」開催
1.26・東大医学部学生自治会、インターン制度廃止を要求して無期限スト
1.26・第5回世界女子バレー選手権大会、東京で開催(〜1.28)
1.27・来日した米フォークソング歌手ジョーン・バエズのテレビ公演で、CIAが反戦的内容を訳すよう通訳に圧力をかける
1.29・大相撲、大鵬が2度目の6場所連続優勝
1.31・明治大学、紛争未解決のまま授業再開

2.1・文部省第1回青少年映画賞に日活作品『私は泣かない』と松竹作品『紀ノ川』が選ばれる 
2.2・明治大学、学生と理事会が「紛争終結の覚書」を交わし紛争が解決。全学闘の一部・全二部共闘、協定無効・白紙撤回を要求し断乎闘うとアピール
2.5・第16回別府毎日マラソンで、君原健二が世界歴代3位の好記録で初優勝
2.9・TBSテレビ、『現代の主役・日の丸』放映。「日の丸」と愛国心を考える。構成寺山修司
2.10・国際基督教大学生、入試への能研テスト利用に反対し、本館に立籠る。23日学長の能研テスト不採用声明で封鎖解除
2.10・明治大学の学費値上げ問題の妥結に反対する学生、全学連の支援で総決起集会。無届けデモで機動隊と乱闘、学生3人逮捕
2.11・初の建国記念日で東大・東京教育大などの学生、反対して同盟登校。全国の大学で同盟登校・抗議集会
2.13・明治大学、卒業試験実施。紛争のため21日遅れる
2.15・西村建設相、日光東照宮「太郎杉」伐採問題で、東照宮の異議申立てを棄却
2.16・1966年度サッカー年間最優秀選手に、早大の釜本邦茂選手が決る
2.20・明治大学、警備の中で入学試験実施
2.21・小林郵政相、TBSテレビ『現代の主役−日の丸』(2.9放送)が偏向番組であるとし
て調査し閣議報告
2.22・柳原白蓮(宮崎子)没(81歳)歌人
2.23・都立高校、学校群制度下初の入試
2.26・反日共系全学連など約1500人、砂川基地拡張阻止青年学生総決起集会。基地ゲート前で機動隊と衝突し、27人重軽傷。のち立川駅までデモ

詳しい年表は「新聞集成 昭和編年史」42年版I〜VI付録をどうぞ

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