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2022.08.08

昭和31年(1956年)5〜6月の主な出来事


昭和31年(1956年) 5〜6月の主な出来事----世界

5.2・毛沢東主席、最高国務会議で中国共産党と民主諸党間の「長期共存・相互監督」、学術研究の「百家争鳴」を演説
5.3・ハマーショルド国連事務総長、イスラエル・エジプト・ヨルダン・シリア・レバノン5ヵ国間で無条件停戦協定を獲得と発表
5.5・米、エニウェトク環礁で1956年度最初の核実験開始
5.10・英ソ、南北ベトナムに統一選挙協力を要請
5.15・李承晩、韓国大統領選で三選を果たす
5.21・米、ビキニ環礁で初の水爆投下実験
5.26・陸定一中国共産党宣伝部長、「百花斉放・百家争鳴」と題して演説
5.30・第1回アジア・アフリカ学生会議開催(バンドン〜5.7)。日本から全日本学生新聞連盟など11団体参加

6.1・モロトフ・ソ連外相が引退。後任にシェピーロフ・プラウダ編集長
6.1・チトー・ユーゴ大統領、ソ連を訪問(〜6.23)。6.20共同宣言
6.4・米国務省、2月24日ソ連共産党第20回大会でのフルシチョフ第一書記による故スターリン批判演説の全文英訳を発表
6.7・第4回ガット関税交渉(1.18〜5.23)の結果発表。米国、オモチャ・化繊製品・肝油など121品目の対日関税を引下げ。日本は78品目引下げ
6.9・瀋陽・太原の特別軍事法廷で、日本人戦犯に初裁判。17人が禁固刑の判決を受ける(〜6.20)
6.13・英軍、スエズ運河地帯から最後の部隊引揚げ。1882年からの74年間の英国のエジプト支配終る。6.18エジプト、正式に運河を接収
6.14・第1回世界婦人労働者会議開催(ブダペスト〜6.17)。日本代表12人参加
6.15・中国第1期全人民代表大会第3回会議開催。毛沢東、統一戦線について民主党諸派との間に「長期共存・相互監督」を提起
6.19・国連視察団、1954年の米国水爆実験で被爆したマーシャル諸島住民は死者なく、全員回復と調査報告
6.20・ソ連・ユーゴスラビア両国共産党共同宣言発表。両党間の友好協力関係確立に合意
6.23・エジプトの共和国憲法、初の国民投票で採択され民政へ移行。初代大統領にナセル選出
6.27・周恩来中共首相、日本の引揚げ3団体代表と会見し、有罪判決者と今後裁判にかけられる者合わせて45人を除く1017人を3回に分けて釈放と言明
6.28・ポーランドのポズナニで反政府暴動起こる(〜6.30)。ポズナニ事件
6.28・米上院、日本製綿製品輸入制限法案を否決。米議会内の日本製品締出し努力は失敗

昭和31年(1956年) 5〜6月の主な出来事----外交・政治・軍事・沖縄

5.1・議長斡旋で小選挙区法案を衆議院特別委員会に差戻し
5.2・政府、売春防止法案を第24回国会に提出。5.21参議院通過成立
5.2・日教組・PTA・婦人団体などが集めた725万4151人の教育2法案反対署名、参議院請願課に提出される
5.2・京都市、わが国初の市民憲章を制定
5.7・社会党、小選挙区制法案阻止のため議員を禁足。同党、第24国会にて不信任・先議戦術で同案の審議引延しを多発
5.9・フィリピンと賠償協定調印。20年間に5億5000万ドル支払い。又、経済開発借款(2億5000万ドル)に関する交換公文調印
5.15・日ソ漁業条約・海難救助協定・1956年度出漁暫定取決めなど調印(モスクワ)。両国の国交回復と共に発効と規定。12.12発効
5.16・衆議院本会議、小選挙区法案を修正可決。同案は審議未了、廃案
5.16・参議院本会議、憲法調査会法案可決成立。6.11施行
5.19・科学技術庁発足。初代長官に正力松太郎国務相
5.21・売春防止法、参議院本会議で可決成立。5.24公布、昭和32.4.1施行、33.4.1罰則施行
5.30・参議院、新教育委員会法案をめぐり連日混乱
5.31・衆議院法務委員会、新興宗教の人権侵犯や違法行為の根絶を政府に勧告。この頃、新興宗教の入信強要が問題化

6.1・参議院本会議、新教育委員会法案をめぐり大混乱。10人の負傷者を出し衛視一同、抗議声明
6.2・参議院本会議場に議長要請で警官隊500人出動、新教育委員会法成立。教育委員の公選制が任命制に改まり、文部大臣権限強化。6.30公布10.1施行
6.3・第24国会閉会。小選挙区法案・健康保険法改正案・教科書法案は審議未了
6.9・モーア琉球列島米民政府副長官、軍用地に関するプライス勧告内容を琉球政府に提示
6.9・琉球立法院、緊急本会議で昭和29年4月に決議した「土地を守る四原則」貫徹を決議
6.11・憲法調査会法公布施行。8.14憲法調査会発足
6.18・外務省、独立回復後に否認してきた在日元ソ連代表部を在日ソ連漁業代表部とし、公的機関と認めると発表
6.20・プライス勧告全文、沖縄に届く。永代借地権設定や新たな土地収用の内容に沖縄住民が反発
6.20・プライス勧告拒否と軍用地対策四原則貫徹の住民大会、沖縄全島各市町村で一斉に開催。約15万5000人参加
6.22・外務省、「現下の重要外交問題」と題する解説書を発表。昭和27年4月28日サンフランシスコ平和条約発効当時の米軍接収地はは4億1878万坪で、昭和31年4月1日現在は3億4000万坪
6.25・プライス勧告反対第2回住民大会、沖縄の那覇市とコザ村の2会場で開催。約10万人参加、反対運動高まる
6.27・アリソン米大使、沖縄を永久所有する意図なしと声明
6.27・沖縄代表団上京、超党派で羽田に出迎え
6.28・来日中の沖縄住民代表団、政府側との会見で軍事基地問題の窮状を訴え、政府に問題の善処を要望
6.29・重光外相、アリソン米大使と会談し沖縄住民代表団の意向を伝える。米側は沖縄問題の善処を言明
6.30・新市町村建設促進法公布。10.1施行
6.30・地方教育行政の組織および運営に関する法律(新教育委員会法)公布、10.1施行

昭和31年(1956年) 5〜6月の主な出来事----経済・産業・技術

5.2・農林省、「日本農業の就業構造」についての調査をまとめる。農業人口が過多のため、就業へ農政転換が必要
5.4・日本原子力研究所法・核原料物質開発促進臨時措置法・原子燃料公社法(原子力3法)各公布施行。8.10原子燃料公社設立
5.18・日産自動車、ベースアップなしで毎年3%昇給する初の長期定期昇給協約を結ぶ話合いが労組とまとまり、近く調印と新聞報道
5.23・百貨店法公布、6.16施行。百貨店の床面積制限など事業活動の調整
5.29・東京・銀座に阪急デパート開店
5.-・日産自動車、同社労組と全員一斉の休暇制度で合意。日本工業界で初の試み

6.6・日米技術協定(防衛目的のためにする特許権および技術上の知識の交流を容易にするための日本政府と米国政府との間の協定)発効
6.7・第4回ガット関税交渉(1.18〜5.23)の結果発表。米国、オモチャ・化繊製品・肝油など121品目の対日関税を引下げ。日本は78品目引下げ
6.7・金融制度調査会設置法公布。7.2初会合、会長に渋沢敬三国際電電社長
6.8・閣議、消費者米価据え置き決定
6.11・工業用水法公布。地下水源保全と地盤沈下防止などのための揚水規制
6.11・日本製鋼赤羽工場、特需激減のため1028人の人員削減を労組に通告
6.12・閣議、生産者米価を1万70円と決定
6.15・大蔵省、昭和31年度「財政白書」発表。「インフレなき拡大」は当分続くが、なお引締めが必要
6.15・日本原子力研究所発足。理事長に安川第五郎就任
6.26・経済企画庁、初の国民生活白書「国民生活変貌の実態」を発表。乳製品消費が戦前の4倍など生活全般に米国調が浸透と指摘
6.21・労働省、西独政府と協議の結果、余剰炭鉱労働者を同国に約3年間派遣で合意

昭和31年(1956年) 5〜6月の主な出来事----社会(市民運動、労働運動、医療、事件事故)

5.1・新日本窒素肥料附属病院長ら、脳症状を呈する患者の発生を水俣保健所に報告。水俣病の公式発見
5.2・森永ヒ素ミルク中毒事件で、岡山を除く被災者同盟全国協議会、森永と和解案に正式調印
5.2・日教組・PTA・婦人団体などが集めた725万4151人の教育2法案反対署名、参議院請願課に提出される
5.2・京都市、わが国初の市民憲章を制定
5.5・鹿児島気象台、米のエニウェトク環礁での核実験による異常気圧波を記録
5.8・主婦連合会(奥むめお会長)、東京・四谷に主婦会館を開館
5.8・東大ポポロ事件(昭和27年2月)で東京高裁、大学の自治は憲法で確認されたものであり警官立入りは違法として一審の無罪判決を支持
5.9・日本高等学校教職員組合(日高教)結成大会(〜5.10)
5.14・各地の貧者救済に当たるポーランド人のゼノ神父、東京・足立区の福祉事務所を訪れ衣類などを贈呈
5.15・尾高朝雄東大教授、歯科治療中に使用したペニシリン注射でショック死。同種事件続発
5.16・ソ連、アリューシャン列島南方海域で北洋調査船「第10黒潮丸」を規制区域に無許可侵入として拿捕
5.17・総理府統計局、昭和31年3月分の労働力調査を発表。女子求職者増加に伴い失業者数が106万人の新記録
5.18・日教組・全地教委などによる新教育委員会法反対の抗議集会、全国一斉に行われる。日教組の教員約50万人、集会参加のため一斉早退
5.21・中央気象台、米国のビキニ水爆実験の約3時間後に日本全土で気圧振動を記録、と発表
5.22・千葉県九十九里浜の漁民が米軍実弾演習による不漁を訴え、東大水産学教室などが調査を開始
5.22・ジョンソン基地(現:航空自衛隊入間基地)の米軍ジェット機が埼玉県坂戸町の農家に墜落、家屋を全焼幼児1人死亡
5.22・広島県倉橋町で、英豪軍が捨てた砲弾を引揚げた漁師6人、解体作業中の爆発で即死
5.24・売春防止法公布。昭和32.4.1施行、33.4.1罰則施行
5.24・米国で原爆によるケロイドの整形手術を受けた広島の原爆乙女、手術後に心臓マヒで死亡
5.25・尼崎市連合婦人会、未成年者の「太陽族映画」観覧禁止運動を呼びかけ。各地で同様の動き
5.25・東京・築地の聖路加国際病院、米軍からの返還式挙行。米側から医療機器など贈られる。10.18開院式
5.27・全日本港湾労組東北地方本部定期大会で、政府発行の安全証明書がない限り米国水爆実験後の危険海域を航行した船の荷役作業は拒否と決議
5.28・三菱銀行など市銀6従組、全銀連(全国銀行従業員組合連合会)を脱退。7.26全銀連解散
5.28・水俣市に水俣奇病対策委員会設置
5.29・全港湾労組第11回大会(〜5.31)で、放射能に汚染された船舶の荷役作業拒否を決定
5.30・国立東京第一病院で、小児マヒ予防薬ソーク・ワクチンの使用開始
5.-・アベック喫茶・ロマンス喫茶などの深夜喫茶が大流行。警視庁、5月27日から取締り33店を摘発

6.5・農林省事務官による農業共済団体国庫交付金横領が発覚、6.6事務官逮捕、6.23共犯の茨城県農共連会長逮捕。年間で計6800万円を詐取。農林省公金詐取事件
6.7・南太平洋の水爆実験海域から神戸に帰港した船員11人が白血球減少と診断され、安静療養に入る
6.9・山田乙三元関東軍司令官ら第7次ソ連帰国者62人、所持金も持たず大半が病気の状態で「北斗丸」で舞鶴に帰る
6.9・瀋陽・太原の特別軍事法廷で、日本人戦犯に初裁判。17人が禁固刑の判決を受ける(〜6.20)
6.10・房総・三浦半島海岸に東京など各都市が廃棄する汚物が漂流、漁業などに被害の恐れ、と新聞報道
6.14・第1回世界婦人労働者会議開催(ブダペスト〜6.17)。日本代表12人参加
6.17・原爆による傷跡の整形手術のため米国に招かれていた広島の原爆乙女25人のうち9人が帰国
6.20・プライス勧告拒否と軍用地対策四原則貫徹の住民大会、沖縄全島各市町村で一斉に開催。約15万5000人参加
6.21・日本海沿岸と東北各地の雨から放射能を検出。松江市で8万9000カウント
6.24・神奈川県警、参院選に立候補している創価学会幹部への投票を信者に強要した疑いで県下21ヵ所を家宅捜索
6.24・京都古文化保存協会(市内35社寺加盟)のうち西芳寺・竜安寺・智積院など、京都市が計画した観光施設税に反対し一般客の拝観拒否を開始
6.25・プライス勧告反対第2回住民大会、沖縄の那覇市とコザ村の2会場で開催。約10万人参加、反対運動高まる
6.27・周恩来中共首相、日本の引揚げ3団体代表と会見し、有罪判決者と今後裁判にかけられる者合わせて45人を除く1017人を3回に分けて釈放と言明
6.27・最高裁、元大阪大学生の火炎ビン製作事件に対する検察側上告を「火炎ビンは爆発物ではない」と棄却

昭和31年(1956年) 5〜6月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

5.1・奈良国立文化財研究所、飛鳥寺の発掘調査を開始(〜昭和32年8月)
5.2・日教組・PTA・婦人団体などが集めた725万4151人の教育2法案反対署名、参議院請願課に提出される
5.2・4月18日に山梨県山中湖で小学生が見つけたマリモ、本田正次東大理学部教授により本物と確認される
5.3・第1回世界柔道選手権大会、国技館で挙行。夏井昇吉六段優勝、3位にオランダのヘーシンク選手
5.5・日本短波放送、月曜と金曜を除く週5日間のプロ野球ナイター試合中継を開始
5.8・全国の小中学生数は過去最高の1836万人。各地で2部授業や仮教室を使用、60〜80人を詰め込んでいる「スシ詰め教室」も、と新聞報道
5.8・東大ポポロ事件(昭和27年2月)で東京高裁、大学の自治は憲法で確認されたものであり警官立入りは違法として一審の無罪判決を支持
5.9・日本高等学校教職員組合(日高教)結成大会(〜5.10)
5.9・日本山岳会まなする遠征隊(槇有恒隊長)、ヒマラヤのマナスル(8125m)初登頂。5.11第2次登頂
5.10・別宮貞雄『管弦楽のための二つの祈り』、東京交響楽団第78定期演奏会にて斎藤秀雄指揮で初演。毎日音楽賞と第5回尾高賞受賞
5.17・石原慎太郎原作『太陽の季節』(日活)封切り。石原雄次郎がデビュー。この頃、大映『処刑の部屋』・日活『狂った果実』など「太陽族映画」盛況
5.25・竹山道雄『昭和の精神史』新潮社
5.26・梅蘭芳ら中国京劇代表団来日。5.30歌舞伎座で公演。この後、全国で公演(〜6.2)
5.27・読売新聞「日曜クイズ」連載開始。新聞・週刊誌のクイズ・ブーム始まる
5.28・稀音家浄観没(82歳)長唄稀音会会長
5.30・ソプラノ歌手関鑑子、モスクワで国際スターリン平和賞(現:レーニン平和賞)を受賞
5.31・巨人軍の川上哲治選手、プロ野球界初の2000本安打を達成
5.-・埴谷雄高『永久革命者の悲哀』(群像5月号)

6.1・科学研究所岩瀬研究室で、原子炉燃料としての金属ウランを作る本実験開始。初の金属ウラン国産に成功
6.2・賀集裕子、ベルギーのエリザベート王妃国際コンクールピアノ部門で10位入賞
6.3・五期会創立大会。大谷幸夫・大高正人ら若手建築家による
6.4・文部省調査で、学校給食児童750万人、うち給食費未納者28万人
6.7・アンドレ・ジョリヴェ『ピアノ協奏曲』、東京交響楽団第79回定期演奏会にて上田仁指揮で初演
6.8・毛や綿にかわり色が鮮明で曲線美の出るナイロン製海水着が流行、と新聞報道。女性用で1500円以上
6.15・第28回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展で、棟方志功が国際大賞受賞と発表
6.24・京都古文化保存協会(市内35社寺加盟)のうち西芳寺・竜安寺・智積院など、京都市が計画した観光施設税に反対し一般客の拝観拒否を開始
6.25・箏曲演奏家の宮城道雄、急行「銀河」から転落死(62歳)
6.27・東京・日比谷の野外音楽堂でわが国初の野外オペラ『椿姫』上演。近衛秀麿指揮・東京交響楽団演奏
6.30・地方教育行政の組織および運営に関する法律(新教育委員会法)公布、10.1施行
6.-・学生語「ドライ」「ウェット」が週刊誌の記事に取上げられ流行語に

詳しい年表は「新聞集成 昭和編年史」31年版I〜VIをどうぞ

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