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2022.09.02

昭和30年(1955年)9〜10月の主な出来事

昭和30年(1955年)9〜10月の主な出来事


昭和30年(1955年)9〜10月の主な出来事----世界

9.4・中華人民共和国軍と中華民国軍、厦門と金門島で砲撃戦
9.9・アデナウアー西独首相、ソ連を訪問しフルシチョフ第一書記と会談(〜9.13)
9.10・日本のGATT(関税及び貿易に関する一般協定)加入の議定書、正式発効
9.13ソ連と西独、国交回復し外交関係樹立協定に調印
9.16・アルゼンチン陸海軍が反乱
9.19・アルゼンチンに政変。ペロン大統領辞職し、軍事評議会が政権を掌握。9.20ペロン前大統領亡命
9.19・ソ連訪問中のケッコーネン・フィンランド首相、ブルガーニン・ソ連首相と1948年の友好協力援助条約の20年延長とポルカラ軍港基地返還協定に調印
9.20・ソ連・東独間で東独主権回復協定調印。防衛目的のためソ連軍が引続き東独に駐在することを規定
9.25・カンボジア議会、仏連合からの脱退を可決。シアヌーク前国王を新首相に指名
9.29・ソ連最高幹部会、ドイツ人捕虜及び戦犯8877人を刑期満了前に釈放し出身地に応じ東西ドイツに送還と発表

10.17・第7回コロンボ計画諮問委員会、シンガポールで開催(〜10.21)。17ヵ国の閣僚級代表が参加、日本は初めて代表団を送る(首席代表石橋湛山通産相)
10.19・「ニューヨーク・タイムス」に連載中の『トルーマン回顧録』で、日本への原爆投下決定までの事情が明らかになる
10.26・ゴ・ジン・ジェム南ベトナム首相、南ベトナム共和国樹立を宣言し初代大統領に就任
10.26・オーストリア連邦議会、「永世中立に関する連邦憲法法規」(中立法)を議決し永世中立国を宣言
10.27・米英仏ソ4国外相会議、ジュネーブで開催(〜11.16)。ドイツ再統一問題で東西対立
10.27・第10回GATT総会、ジュネーブで開催。日本、初めて正式代表団を派遣。米代表、14ヵ国が日本に対しGATT税率の適用を拒んでいる問題を解決すべきと力説

昭和30年(1955年) 9〜10月の主な出来事----外交・政治・軍事・沖縄

9.5・ロンドンでの日ソ交渉で、ソ連代表部、抑留者名簿を日本代表部に手交。元軍人1011人民間人354人の計1365人
9.5・砂田防衛庁長官、防衛計画で陸上自衛隊を3年以内に18万人に増強する代りに米地上軍の撤退を求めると表明
9.6・第14回日ソ交渉において、マリク・ソ連全権、ハボマイ・シコタン返還問題に関し返還後の両諸島を無防備とする条件を提示
9.8・重光外相、ワシントンでの日米会談(8.29〜8.31)から帰国。日米会談で海外派兵が何らかの形で約束されたという報道は全く根拠のない誤報と表明
9.9・左右両派の社会党、統一綱領草案を完成
9.9・宮城県下の米軍基地で国府軍将校を軍事訓練中と朝日新聞が報道、問題化
9.10・米軍横田基地司令部広報課、7月に開催したジェット機講習会にフィリピン・タイ軍将校が参加したと語る
9.12・ジュネーブの国際原子力会議に出席した中曽根康弘ら4国会議員が帰国。各国の原子力平和利用の実情を調査した結果、日本も急速に強力な原子力政策を超党派的に確立すべきと声明
9.13・東京・砂川町で米軍立川基地拡張のため、警官隊の大量出動により強制測量開始
9.15・米極東陸軍司令部、宮城県の米軍基地「キャンプ松島」を11月1日付で日本に返還すると発表
9.16・山形県村山市の米軍大高根射撃場拡張のため、警官隊の応援により強制測量開始(〜9.17)
9.20・左派社会党大会、統一方針・綱領草案・規約草案の統一関係3議案を可決。綱領草案は要望決議を付けて承認
9.21・フルシチョフ・ソ連第一書記、訪ソ議員団(北村徳太郎団長)と会見し、ハボマイ・シコタン返還の可能性について言明。松本全権の不在期間、日ソ交渉を一時休止することで合意
9.24・北海道臨時議会、千島・ハボマイ諸島返還、北方漁業拡大要望決議案を可決
9.28・右派社会党拡大中央委員会、統一交渉経過報告・綱領草案・規約草案の統一関係3議案を可決
9.30・新生活運動協会発足。会長前田多門、理事29人幹事3人

10.1・松本日ソ交渉日本側全権帰国。鳩山首相・重光外相らに日ソ交渉を報告し、早急妥結の決断を力説。昭和31.1.17ロンドンに帰任
10.1・フーヴァー2世米国務次官とホリスター米国際協力局長来日。鳩山首相らと会談し日本の早期復興努力を要請
10.4・閣議、9月29日の日米合同委員会で決定した横田基地拡張計画を正式承認
10.6・石井自由党幹事長、民主党との4者会談で鳩山総裁下の保守合同に反対、総裁公選以外による合同を拒否
10.7・ソ連訪問の国会議員団(野溝勝団長)10人帰国。ハバロフスク戦犯収容所を訪問し抑留日本人からの手紙911通を持帰る
10.8・静岡県議会、オネスト・ジョンの東富士演習場持込み反対に関する意見書を満場一致で採択し、内閣・両院議長に提出
10.10・陸上自衛隊北部方面隊、北海道石狩平野などで自衛隊としては初の大がかりな完全編成の機動演習を実施(〜10.13)
10.11・日本、国連「婦人の参政権に関する条約」に正式加入
10.12・左派社会党(鈴木茂三郎委員長)は豊島公会堂で、右派社会党(河上丈太郎委員長)は浅草公会堂で解散大会
10.13・左右両派社会党による統一大会開催、委員長に鈴木茂三郎・書記長に浅沼稲次郎選出。左右分裂以来4年ぶりに合同。衆参両院合わせれば保守党のいずれをもしのぐ第一党という日本社会主義政党史上最大の政党となる
10.14・鳩山首相、東京・砂川町の米軍立川基地拡張で滑走路予定地の土地収用を認定
10.15・中共訪問日本議員団(上林山栄吉団長)、北京で毛沢東主席以下劉少奇・周恩来など中共首脳部と会談。10.17日中国交正常化に努力・両首都見本市の常設化等の共同コミュニケ発表
10.18・ラングーンで、ビルマとの賠償・経済協力協定の実施細目に関する交換公文に調印
10.19・米下院軍事委員会分科会調査団(メルビン・プライス団長)、沖縄米軍基地視察のため来日
10.19・防衛庁、郷土防衛隊設置大綱を決定。昭和31年度から実施予定としたが、31年度予算に組み込まれずに終る
10.20・訪朝国会議員団(古屋貞雄団長)、平壌で金日成北朝鮮首相らと会談。日朝国交正常化・貿易代表部設置に努力などの共同コミュニケ発表
10.23・米下院軍事委員会軍用地調査団(プライス団長)が沖縄に到着、現地調査を実施(〜10.26)

昭和30年(1955年) 9〜10月の主な出来事----経済・産業・技術

9.9・通産省、原子力予算打合会で米国から有償貸与される小型実験用原子炉を湯沸し型に決定
9.10・日本のGATT加入の議定書、正式発効。加盟国35ヵ国の内、米加など20ヵ国とGATT関係に入り、残り英豪など14ヵ国はGATT35条(GATTの適用を除外)を援用。米、対日関税を引下げ
9.15・第2次日米余剰農産物買付交渉妥結。昭和30年度受入総額6580万ドル。10.1ワシントンで買付協定調印
9.16・総同盟、日本生産性本部に正式加入。経営者中心の機構をより中立的にするなどの要請事項を提出
9.19・全国銀行協会連合会(全銀協)、歩積・両建預金の自粛措置、設備資金融資抑制の緩和を決定。9.19から融資緩和、10.1から自粛措置実施
9.21・農林省、農地法施行規則改正公布。小作料の引上げ
9.-・落ちない口紅「スーパー口紅」、キスミー化粧品より発売。3色各200円

10.1・石炭鉱業整備事業団設立
10.3・NHKのテレビ放送受信契約数が10万世帯を突破
10.5・全国果樹研究青年大会、「米国から駐留軍用として入っているコカコーラが一般市場に流れジュース製造を圧迫している」として、コカコーラの輸入絶対反対を決議し農相らに打電
10.6・電電公社、電信電話拡充5ヵ年計画の第4年度大綱を発表。近距離市外電話にダイヤル方式採用など
10.9・大蔵省、米国輸出協会の在日蓄積円から電源開発会社用に27億円借入を内定。代償に12億円の外貨送金を認める
10.10・愛知用水公団と農地開発機械公団、正式発足。政府、愛知用水公団総裁に浜口雄彦前東京銀行頭取、農地開発機械公団理事長に成田努全国米穀小売商組合連合会会長を発令
10.15・中国国際貿易促進委員会と中国訪問日本実業団との貿易交渉で、総額1200万ポンドを越える取引契約の議定書に調印(仮契約)
10.18・長崎県大村湾口に西海橋開通。長崎−佐世保間が最短距離で結ばれる。固定鋼アーチ橋としては世界第3位の長さ
10.19・東工物産、北京で北朝鮮の朝鮮貿易会社との貿易協定に調印。北朝鮮との初めての民間貿易協定
10.22・太平洋側と日本海側を結ぶ群馬県の三国国道トンネル貫通式挙行。昭和32年12月完成
10.25・八幡製鉄、厚板圧延機械輸入のため530万ドルの世界銀行借款協定に調印(ワシントン)。昭和28年の火力借款に次ぐ世界銀行からの第2次借款で、初の世銀鉄鋼借款
10.27・第10回GATT総会、ジュネーブで開催。日本、初めて正式代表団を派遣。11.29高碕代表、第35条援用について適当な解決策が得られるよう要望
10.28・財団法人原子力研究所設立発起人会開催、理事長に石川一郎経団連会長。11.30設立
10.-・下期より輸出船ブームに始まる「神武景気」(〜昭和32年上期)
10.-・日本航空、国内線就航のダグラスDC4機の操縦士を全員日本人に切替える

昭和30年(1955年)9〜10月の主な出来事----社会(市民運動、労働運動、戦争・引揚、事件事故)

9.1・森永ヒ素ミルク事件で森永乳業、書類送検される
9.2・ソ連からの第4次帰国者36人、「北斗丸」で舞鶴港に到着
9.2・売春問題対策協議会、「売春等の防止および処分に関する法律案要綱」ならびに「同要領」を政府に答申。売春婦に原則として刑罰を課すことなく保安処分を行う
9.3・沖縄県嘉手納村で米兵が幼女を暴行殺害。由美子ちゃん事件
9.6・茨城県鹿島町・神栖村の農民ら、海上自衛隊の基地設置に反対し鹿島町で農民総決起大会開催
9.6・鉄鋼労連、統一賃金を要求しスト突入。以後4波ストを経て11.1妥結
9.8・米国・オランダ関係BC級戦犯の仮釈放第1陣33人、東京巣鴨プリズンを仮出所
9.8・官給領収書絶対反対全国大会、東京・神田の共立講堂で開催。ダンサー・女給・業者ら3000人デモ。11.1公給領収証制度実施
9.13・東京・砂川町で米軍立川基地拡張のための強制測量で警官隊と地元反対派・支援労組・学生が衝突。砂川闘争
9.14・砂川町で再び衝突、地元側の抵抗止み測量進む
9.17・終身禁固刑の橋本欣五郎・賀屋興宣・鈴木貞一、A級戦犯の仮釈放制度初適用により巣鴨プリズンを仮出所
9.17・中共から徳田球一書記長の遺骨を引取った日本共産党の志賀義雄代議士と徳田たつ未亡人が帰国
9.18・森永ヒ素ミルク事件で、森永ミルク被災者同盟全国協議会を結成
9.18・原水爆禁止署名運動全国協議会と原水爆禁止世界大会日本準備会が統合し、原水爆禁止日本協議会(原水協)を結成。事務総長に安井郁法大教授

10.1・第8回国勢調査実施。人口8927万5529人(東京都803万7084人)
10.1・熱海市に簡易保険郵便年金加入者ホーム「熱海荘」開所。初の国営老人ホーム
10.1・台風22号が佐渡沖を通過した直後、新潟市で大火。強風下約1200戸焼失
10.3・東京・瑞穂町と横田基地拡張反対期成同盟、日米合同委員会の基地拡張案を承諾。同町の反対運動終結
10.7・最高裁、「未成年者の人身売買のような公序良俗に反する契約の前借金は無効」との判決を下す。人身売買取締りに大きな影響を持つ新判例
10.9・東京・日野町の農家に米軍立川基地のB26爆撃機が墜落し5棟全焼、乗員2人死亡
10.13・鹿児島県桜島南岳が爆発、北岳登山中の鹿児島大学生1人死亡。その後火山活動が継続
10.18・宮城県松山町で農家が全焼、4人の他殺体発見。12.2容疑者別件逮捕。松山事件(死刑冤罪事件)
10.20・賃上げ闘争中の全繊同盟綿紡大手10社労組、第4波の全面無期限ストに突入。戦後最大の綿紡スト。11.2妥結
10.22・人権擁護沖縄全住民大会開催。19団体5000人参加
10.24・「人口過剰と家族計画」をテーマに第5回国際家族計画会議、東京で開催(〜10.29)。国際家族計画連盟(会長マーガレット・サンガー夫人)主催。この頃出生率低下が顕著、人口中絶が問題化
10.25・米軍板付基地のT33ジェット機2機が、福岡県仲原町上空で接触して墜落。同村民家5軒に被害乗員1人死亡

昭和30年(1955年) 9〜10月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

9.1・第40回院展(都美〜9.19)。前田青邨『出を待つ』、岩橋英遠『壁』等
9.2・京大カラコルム学術探検隊、木原均総隊長ら8人帰国。西パキスタンでパン小麦の祖先「タルホコムギ」の野生状態を発見
9.8・国際数学会議、東京で開催(〜9.13)。国際数学連合(IMU)・日本学術会議共催
9.9・神奈川県児童福祉審議会、米国映画『暴力教室』を同県青少年保護育成条例により青少年の観覧禁止映画と決定。同映画を県条例で禁止したのは全国ではじめて
9.9・第31回日本学生選手権水上競技大会で、日大の石本隆が200mバタフライで2分23秒8の長水路世界最高記録
9.9・菊池契月没(75歳)日本画家
9.13・文部省、都道府県教育委員会に米国映画『暴力教室』の青少年観覧禁止を通達
9.13・ブリュッセルの地球観測年会議(9.8〜)で、1957年7月からの国際地球観測年中に日本の南極大陸基地建設と観測隊派遣を正式決定
9.13・チェコ音楽家スメタナの歌劇『売られた花嫁』、東京・日比谷公会堂で初演。NHK交響楽団演奏
9.16・ユネスコ主唱の万国著作権条約発効。著作権保護期間25年など
9.17・東大生産研究所、秋田県岩城町で宇宙観測用ロケット・ベビーT型の発射・送受信実験に成功
9.20・文部省、指導要録(通信簿の原本)の改正を通知。小中の成績表示を5〜1の段階に統一
9.23・第1回ノンプロ野球世界選手権大会に全鐘紡が出場、5位となる(米ミルウォーキー)
9.23・米国映画『暴力教室』を契機として、中央児童福祉審議会が映画倫理規定管理委員会及び映画会社10社に青少年の福祉上問題のある映画の上映制限を申入れ
9.26・日本学術会議、国際地球観測年の一環として南極観測に学術探検隊派遣を決定
9.26・文部省、生徒1人当り父母が負担する教育費年間総額を発表。小学校7968円中学校9641円高校2万5251円。中学校が前年比3.4%増

10.1・文部・厚生・労働3省、義務教育の不就学・長欠児(30万人)解消へ各都道府県に対策を通達
10.2・中国国慶節参加の市川猿之助一座、彭真北京市長主催の招待会で歌舞伎を上演。毛沢東・劉少奇・周恩来など観劇
10.3・NHKのテレビ放送受信契約数が10万世帯を突破
10.7・臨時都教育委員会、昭和31年春の都立高校入学選抜要綱を決定。英語が新たに学力検査科目に加わる
10.10・東京都議会、第18回オリンピック大会の東京招致を決定
10.11・群馬県高教組、警察官が吾妻高校女子生徒に生徒会社会研究部員らの思想調査を強要、と県警に抗議
10.13・第1回アジア歯科学術会議、東京・上野で開催。9ヵ国参加
10.14・米映画『エデンの東』封切り。ジョン・スタインベック原作エリア・カザン監督、ジェームズ・ディーン、ジュリー・ハリス主演。9.30ジェームズ・ディーン自動車事故死
10.25・日本学術会議第20回総会、7年ぶりの学士院分離独立を可決
10.28・日本生化学会の招きでソ連の生化学者アレクサンダー・オパーリン博士が来日(〜11.12)
10.31・神奈川県を巡幸中の天皇・皇后、大磯町のエリザベス・サンダースホームを訪問し混血児の生活を視察
10.-・「知性」10月号で福田恆存が『国語改良論に再考をうながす』を発表し金田一京助を批判、両者で論争

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