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2022.10.22

昭和30年(1955年)1〜2月の主な出来事

昭和30年(1955年)1〜2月の主な出来事

昭和30年(1955年)1〜2月の主な出来事----世界

1.2・パナマ大統領ホセ・アントニオ・レモン暗殺される。後任にホセ・ラモン・グイサド副大統領
1.5・ハマーショルド国選事務総長、中共を訪問し周恩来首相と会談。1.10「緊張緩和など検討し、会談は有益だった」との共同コミュニケ発表
1.10・ユーゴスラビアと中共、外交関係樹立
1.17・世界初の原子力潜水艦、米海軍「ノーチラス号」が試運転
1.17・アイゼンハワー米大統領、予算教書の中で「琉球諸島の軍事基地は自由世界の安全保障上極めて重要であるから、米国はその占領を無期限に継続する」と言明
1.18・中国人民解放軍、一江山島を占領。国府守備隊は降服
1.18・世界平和評議会事務局拡大会議、30ヵ国代表参加してウィーンで開催。原子戦争準備に反対する「ウィーン・アピール」発表
1.25・ソ連最高会議幹部会、東西ドイツとの戦争状態終結を宣言
1.28・米議会、台湾水域防衛のため米軍使用権限を大統領に付与する決議を採択

2.3・周恩来中共首相、国連事務総長からの国連安保理事会招請に対し、同理事会から「国府」を除外すれば出席すると回答
2.5・仏のマンデス・フランス内閣、アルジェリア問題で不信任を受け総辞職。2.23エドガー・フォール後継内閣成立
2.6・蒋介石国府相当、大陳島撤退を命令。米第7艦隊、援護に出動
2.8・マレンコフ・ソ連首相、突然辞任。後任にブルガーニン元帥。2.9ブルガーニン新首相、最高会議で重工業に力点を置くと演説
2.15・米原子力委員会、1954年春のビキニ水爆実験の汚染地域は約1万8000㎢と発表
2.17・英国、国防白書を発表し水爆製造開始を表明
2.18・米国、ネバダ実験場で小型原子爆弾の実験を開始。今年初の実験
2.19・ワルシャワ放送、18日ポーランドはドイツに対する戦争状態を終結したと発表
2.19・東南アジア条約機構(SEATO)、加盟全8ヵ国の条約批准が完了し正式発足。2.23第1回会議、バンコクで開幕
2.24・トルコ・イラク間に相互防衛条約調印。同年11月までに英国・イラン・パキスタンが参加し5ヵ国による集団安全保障機構「中東条約機構(METO)」結成。1959年イラクが脱退し「中央条約機構(CENTO)」に改組



昭和30年(1955年) 1〜2月の主な出来事----外交・政治・軍事・沖縄

1.1・鳩山首相、年頭の挨拶で「占領施策を是正し日本民族の自主性回復を図る」と言明
1.1・日本共産党、同党中央機関紙「アカハタ」で極左冒険主義の自己批判を発表
1.2・一万田蔵相、記者会見でデフレ政策の継続を強調
1.3・ラドフォード米統合参謀本部議長来日(〜1.5)。1.5重光外相らと会談、日本側、米国の軍事援助及び防衛分担金の削減を要請
1.4・重光外相・アリソン米大使間で、ビキニ被災補償に関する日米間の公文を交換。米側は法律上の責任と関係なく200万ドルの慰謝料を支払うとの内容
1.5・在日米軍、冬季訓練のため富士登山道閉鎖・一般の立入禁止を山梨県知事に通告。1.10一部緩和して実施
1.7・閣議、国産品奨励の方針を決定。官庁用の衣類を国産化繊に置き換え
1.10・鳩山首相、車中記者会見で中ソとの国交回復・憲法改正に積極的意思を表明
1.9・防衛庁初の少年自衛隊員(3等陸・海・空士)採用試験、全国一斉に実施。採用310人に応募者1万995人、35倍の競争率
1.10・公明選挙連盟(前田多門理事長)、第1回公明選挙推進講演会を開催
1.12・ハマーショルド国連事務総長来日、重光外相と日本の国連加盟問題について懇談
1.13・ハル米極東軍司令官、外人記者クラブで「自由を保持するためにも日本に中立的立場はあり得ない」と演説
1.14・政府、余剰農産物買付交渉の基本方針を決定
1.14・海上自衛隊員73人、戦後初の潜水艦訓練教育を受けるために渡米
1.16・米海軍、日米相互防衛援助協定(MSA協定)により、対潜哨戒機17機を海上自衛隊に供与
1.16・米極東軍司令部、自由人権協会(海野晋吉理事長)による米軍の沖縄民政の調査に対し事実誤認だと反論
1.17・アイゼンハワー米大統領、予算教書の中で「琉球諸島の軍事基地は自由世界の安全保障上極めて重要であるから、米国はその占領を無期限に継続する」と言明
1.17・米余剰農産物買付交渉の第1回日米会議、東京で開催
1.18・閣議、総合経済6ヵ年計画の大綱を了承。完全雇用で経済自立が目標
1.18・左右両派社会党、それぞれ臨時党大会で両党共通の統一決議を行い、速やかな合同を国民に公約
1.19・福岡県の在日米軍築城飛行場で、米空軍指導による航空自衛隊員のジェット機操縦訓練開始
1.20・日米相互防衛援助協定(MSA協定)により、米国から航空自衛隊に提供されるジェット練習機など59機の最初の引渡し式、立川基地で挙行
1.21・第21通常国会開会。1.22鳩山首相、施政方針演説で自主防衛態勢の確立、憲法の国情に即した改正を述べる
1.21・日本共産党の志賀義雄、昭和25年6月の追放以来4年半ぶりに地下活動から公然活動へ。記者会見で総選挙立候補を表明
1.23・鳩山首相、衆議院本会議で「いまや現行憲法のままで自衛の軍隊を持ち得るというのが通論」と答弁
1.24・重光外相、参議院本会議で「ハボマイ、シコタンについては日本領土として主張して行くべき」と答弁
1.24・衆議院解散。本会議の質問中途で詔書が朗読される
1.25・ドムニツキー・ソ連元代表部臨時首席、鳩山首相と会談。国交正常化に関するソ連政府の公式文書を渡す
1.25・自治庁・東京都選管・公明選挙連盟・NHK主催の初の4党立会演説会、浅草公会堂で開催
1.27・政府、米軍に使用を認めていたアーニー・パイル劇場(旧東京宝塚劇場)を東宝に正式返還

2.1・防衛庁、ジェット機の国内生産3年計画を決定
2.4・閣議、日ソ国交正常化交渉を行う方針を決定。2.5沢田国連大使、ソボレフ・ソ連国連代表にドムニツキー文書への正式回答として日ソ国交交渉開始の口上書を手交
2.7・スウェーデンの練習艦が東京港に入港。同国軍艦の来日は72年ぶりで国連軍関係以外の外国軍艦の正式訪問は戦後初めて
2.18・鳩山首相、日ソ交渉に際してハボマイ・シコタン両島返還を主張すると記者会見で言明
2.18・米国、マイヤー米公使を通じ、米余剰農産物受入れをめぐり日本側が要求していたドル条項削除と金利引下げについて拒否を通告
2.21・海上自衛隊、初の空海合同演習
2.25・米国より貸与の2駆逐艦、横須賀港に入港。「あさかぜ」「はたかぜ」と命名
2.25・米上院、日米二重課税を廃止する日米税務2条約を批准
2.25・南日(ナム・イル)北朝鮮外相、対日国交樹立と経済・文化交流のために討議する用意有りと声明
2.27・第27回衆議院総選挙。民主185・自由112・左社89・右社67。革新派、憲法改正阻止に必要な3分の1議席を確保

昭和30年(1955年) 1〜2月の主な出来事----経済・産業・技術

1.7・トヨタ自動車、「クラウン」を発表。人気車となる
1.14・日銀、昭和29年中の外国為替収支を発表。1億ドルの黒字で、28年の支払超過1億9400万ドルに比べ国際収支は著しく改善
1.24・食糧庁、昭和27年から3年間のヤミ米についての資料を収集し「ヤミ米白書」を発表。年に総量で1000
万石動く
1.26・経済再建懇談会発足。代表に大屋敦。財界の政治資金の一元的拠出機関

2.3・八幡・富士・日本鋼管の3社、フィリピンのアイアン・マインズ社と鉱山開発・鉱石処理契約を締結
2.4・日本航空、沖縄−香港線を開設
2.6・鈴木一雄国際貿易促進協会委員、4ヵ月間の北京滞在を終え香港に到着。「中共は2800万ドルの対日貿易協定に調印した」と語る
2.14・日本生産性本部発足。会長に石坂泰三東芝社長。2.10総評、参加要請を拒否。9.16総同盟参加
2.18・丸紅、高島屋飯田の合併を発表。4.1丸紅飯田として新発足。資本金16億円

昭和30年(1955年) 1〜2月の主な出来事----社会(市民運動、労働運動、医療、事件事故)

1.2・北アルプス前穂高岳東壁で、三重大生が下山途中にナイロンザイルが切れて転落死。井上靖『氷壁』のモデルに
1.5・在日米軍、冬季訓練のため富士登山道閉鎖・一般の立入禁止を山梨県知事に通告。1.10一部緩和して実施
1.6・山梨県中野村の古物商が米海兵隊演習地から拾ってきた不発弾が爆発、8人重軽傷
1.9・防衛庁初の少年自衛隊員(3等陸・海・空士)採用試験、全国一斉に実施。採用310人に応募者1万995人、35倍の競争率
1.9・愛知県鳳来寺で火災、東照宮御供所焼く
1.10・公明選挙連盟(前田多門理事長)、第1回公明選挙推進講演会を開催
1.10・家族制度復活反対連絡協議会(田辺繁子代表)、「各政党の家族制度に対する政策をきく懇談会」を開催
1.11・防衛庁議、自衛隊内の神社は違憲と決定。新潟県新発田駐屯部隊内の神社が問題に
1.12・南方戦没者の遺骨収集政府派遣団、「大成丸」でガダルカナル島など南太平洋諸島に出発
1.13・原水爆禁止署名運動全国協議会(全協)、8月6日に広島で原水爆禁止世界会議開催を内定
1.13・朝日新聞、自由人権協会(海野晋吉理事長)の沖縄調査報告を掲載。1.16・米極東軍司令部、これに反論する声明発表
1.14・自由人権協会、同会理事役員会議で国際人権連盟の依頼による沖縄問題最終調査報告を発表。米軍政下の沖縄に人権侵害があると報告
1.16・原水爆禁止署名運動全国協議会第1回全国会議開催、「世界大会への呼びかけ」を採択。署名は2200万を越す
1.16・全日本中小企業労働組合総連合(全中労)結成
1.17・東京でスモッグ発生。石炭の不良と自動車の増加が原因
1.20・調達庁、妙義山米軍演習予定地を強制測量。反対派の1人負傷
1.21・改造社、労働協約締結交渉中に編集局全員の解雇と22日以降の出社停止を発表。1.22青野季吉・丹羽文雄ら作家15人が不当解雇に抗議し不執筆同盟を結成。2.18同盟を発展させ「改造を守る会」結成。2月末「改造」2月号で廃刊
1.23・日本自動車産業労働組合連合会(自動車労連)結成
1.25・アジア法律会議、カルカッタで開催(〜1.29)。日本から2人の女性弁護士を含む5人が出席。日本代表、沖縄における人権問題を報告し調査団派遣決議を採択
1.25・八重山群島の黒島で少年6人が前借金で売られ漁業で酷使される「糸満売り」が発覚。これを機に「糸満売り」への批判が高まり姿を消す
1.29・英豪地域遺骨収集船「大成丸」、ガダルカナル島で遺骨800体・遺品45点を収容と厚生省に打電
1.29・日本弁護士会の在京人権擁護委員会、沖縄問題特別調査会を結成し独自調査を始めると決定
1.29・主婦連(奥むめお会長)婦人有権者同盟(斎藤きえ会長)地域婦連(山高しげり会長)の3婦人団体、地方代表約200人を集め東京で「公明選挙推進全国婦人中央会議」を開催。婦人団体による選挙のための初の合同全国会議
1.-・米国、井口駐米大使を通じ原子炉用濃縮ウラン貸与を日本政府に申入れ。政府公表せず、4月14日朝日新聞が報道。5.20閣議、濃縮ウラン受入れ決定。6.21日米原子力協定仮調印

2.1・千葉県木更津沖で、自衛艦からの油流出により海苔に大被害
2.4・静岡県秋葉ダムの工事現場でダイナマイトが爆発、土砂崩れで19人死亡
2.8・英豪地域遺骨収集船「大成丸」、ブーゲンビル島で遺骨320体を収容と厚生省に打電
2.10・総評、日本生産性本部(2.14発足)への参加要請を拒否。9.16総同盟参加
2.12・英豪地域遺骨収集船「大成丸」、東部ニューギニアのブナで遺骨772体を収容と厚生省に打電
2.17・横浜市の聖母の園養老院で火災、96人焼死。防火設備の不備が問題に
2.19・日本キリスト教婦人矯風会・日本子どもを守る会など20余の婦人団体が参加する日本婦人大会、東京で「一票を生かす婦人の大会」開催。約600人参加、社会保障・売春禁止法・労働基準法などを論議
2.21・韓国沿岸警備隊当局、連行中の日本漁船2隻が19日に転覆、乗員23人行方不明と発表
2.21・東京都教育庁、都内公立中学生の希望進路調査をまとめる。デフレの影響で就職希望者が前年比24.1%増
2.24・米国原爆被災者調査委員会の2博士、広島の原爆被災者に平常の10〜20倍の発病率で白血病患者が増加と報告

昭和30年(1955年) 1〜2月の主な出来事----教育・科学・文化・スポーツ

1.5・シネラマ、東京の帝劇で初公開。1.15大阪OS劇場で公開
1.9・大相撲初場所開幕。西方大関は空位で、大関空位の場所は相撲史上初めて
1.15・東宝『浮雲』封切り。原作林芙美子、監督成瀬巳喜男、主演高峰秀子・森雅之
1.23・昭和9年に着手した法隆寺新堂の修理が終了し落慶式挙行。21年間で総工費約8億円・労力延べ30万人
1.24・絶滅したと思われていたアホウドリが鳥島で発見される、と新聞報道
1.26・志喜屋孝信没(71歳)元沖縄民政府知事、琉球大学初代学長
1.27・政府、米軍に使用を認めていたアーニー・パイル劇場(旧東京宝塚劇場)を東宝に正式返還
1.27・文化財保護委員会、重要無形文化財技術指定制度(人間国宝)第1次指定を内定。1.29同制度正式決定。2.15喜多六平太ら指定者30人に告示
1.31・東京都で幼稚園入園志望者が増加し、各幼稚園で入園志望者の選抜方法に苦慮、と新聞報道
1.-・飯沢匡『ヤンボウ・ニンボウ・トンボウ』宝文館
1.-・幸田文『流れる』(新潮〜12月号)
1.-・阿川弘之『雲の墓標』(新潮〜12月号)
1.-・山本健吉『古典と現代文学』(群像〜10月号)

2.11・文部省、小学校の社会科学習指導要領の改訂を発表。天皇の意義を明確化
2.16・三笠宮崇仁親王、東京女子大学考古学講師就任が本決まり、と新聞報道
2.16・第1回黄綬褒章58人を発表。勤労者勲章
2.17・アジア知識人会議、ラングーンで開催。日本から高見順・竹山道雄ら6人出席
2.17・坂口安吾没(48歳)作家
2.19・日本ジャーナリスト会議発足。初代議長に岩波書店「世界」編集長吉野源三郎。12月、機関紙「ジャーナリスト」第1号発行
2.21・東京都教育庁、都内公立中学生の希望進路調査をまとめる。デフレの影響で就職希望者が前年比24.1%増
2.22・文部省、中学校社会科学習指導要領改訂を発表。道徳教育を強調。社会科問題協議会、改訂に反対声明
2.23・ソ連のヴァイオリニストのダヴィッド・オイストラフ、日比谷公会堂で初演奏会
2.23・ポール・クローデル没(87歳)仏劇作家、元駐日大使
2.24・第5回ハリウッド世界映画祭で『二十四の瞳』が外国映画特別賞受賞。原作壺井栄、監督・脚本木下恵介、主演高峰秀子、昭和29年公開
2.27・NHKテレビで、衆議院総選挙開票速報を初めて実施
2.-・評論家石垣綾子「婦人公論」2月号に『主婦という第二職業論』発表。主婦論が活発に
2.-・「改造」2月号で廃刊
2.-・仏デザイナー、クリスチャン・ディオールが「Aライン」を発表。センセーションを起こす

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