夏目漱石 集成について | 芥川龍之介 集成について | 森鴎外 集成について
当時の新聞・雑誌からそのままの形で、作家の作品、広告から消息にいたるまで、すべて収録いたしました。作家と関係のある文章、同時代評も掲載いたしました。年代順に、作家の活躍した時代、没後にわたって掲載しております。
各巻定価7,000円のところ大幅にお値引きし定価2,200円にてご提供しております。
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資料提供
荒正人文庫 岩波書店漱石文庫 国立国会図書館 昭和女子大学近代文庫 東京大学法学部明治新聞雑誌文庫
日本近代文学館 他
文学博士 故 吉田精一
平野清介翁が、長年月の間独力で新聞集成大正編年史、昭和編年史を編集出版されていることを知る人も多いであろう。しかし翁が熱烈な漱石ファンであり、いやしくも事漱石に関する断片隻語も逃さない精密な調査家であることは、この書をもってはじめて知られると思う。
(略)今や漱石研究は微に入り細に渉っているが、漱石の同時代における像は、この一巻に俟つべきものが多い。いやしくも漱石に関心ある諸氏の一見すべき大著であり、どんな未開拓の資料がひそんでいるか興味津々たるものがある。
昭和五十三年十月
故 荒正人
『漱石研究年表』(集英社)を編纂したときも、編年史のお蔭を蒙った。(略)編年史だけでも大変な仕事だと感嘆していたところ、その余沢として、新聞に現われた夏目漱石という特別の労作をまとめられた。夏目漱石に関心のある人たちはむろんのことだが、同時代の文学者を研究している人たちも大いに役に立つ貴重な仕事である。
(略)平野清介さんは、夏目漱石を深く敬愛し、明治四十四年(一九一一)八月十八日(
金)、大阪市公会堂で、大阪朝日新聞社で催された講演会で、夏目漱石の「文学と道徳」という講演を聞いたことがあるという。恐らく、その頃から、この大著の構想が芽生えたものではないかと思う。その後、半世紀以上を経過し、日本人は地震から原爆に至る悲劇を体験した。だが、平野清介さんの初志を滅ぼすことはできなかった。学問は歴史を越えて永しという感慨を禁じえぬ。
(略)この大著が明治から大正にかけて、国民文学者としての夏目漱石がどんなふうに生きてきたかをつぶさに知ることで、わたしたちの父祖の時代を学ぶことができる。ありがたい労作である。
(略)近代文学の研究家にも、明治大正に関心を抱く人たちにも心からお勧めしたい。
平野清介
澄江堂先生の文献をあれこれと読んでゆくとありし日の先生の面影が何かと浮んでくる。澄江堂邸の廊下の両側には書架が一杯立ててあって、先生曰く、「家人が通る度にいささかの空気が動くから、書物のイタミが助かる。」
澄江堂先生の机上には時到れば、美しいジャクロバチが置かれていた。今アメリカ産の大きな「ジャクロ」が果物屋の店頭を飾っている。先生が、もしこの光景を眺められたら何と言われるだろうか。澄江堂先生が、無類の愛煙家であられた事は周知の通りであるが、或る時「僕はゴールデンバットが吸えなくなれば死んでもいい。」といふ事を何度も繰り返された。嫌煙権がやかましくなった現代に生きておられたら何と言はれるだろうか。
澄江堂先生は、心あたゝかい親切な方だった。私が漱石門下のほとんどの方々の温容を拝する事ができたのも、主として先生のおかげである。誠に文壇最高のお人柄に今尚頭のさがる思いである。
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